三浦皇成「大ショック」も希望の光!? 来年のフェブラリーSへ「好素材」が馬なりで圧勝!
11日、東京競馬場の2Rに行われた3歳新馬戦(ダート1400m)は、好位から抜け出した三浦皇成騎手の4番人気ジェムステート(牡3歳、美浦・鈴木慎太郎厩舎)が後続に1馬身1/4差をつけて優勝した。
フルゲート16頭のレース。ジェムステートはスタートこそあまり速くなかったが、すぐに二の脚がついて前から3番手を追走。逃げる1番人気エリカボニータと2番手の馬を射程圏内に入れながら4コーナーを回り最後の直線に入る。
鞍上のゴーサインにしっかりと反応して脚を伸ばすと、直線の半ばで前の馬を楽々と交わして先頭へ。残り100m付近からは三浦騎手も追う手を止め、持ったままでゴール板を駆け抜けた。
「ゲートの出はやや遅かったですが、その後はセンスの良い立ち回りで、抜け出してからは馬なりの圧勝劇でしたね。今回のデビューを迎えるまでに2度、除外の憂き目にあっていましたが、そのぶん調教を積めたのもプラスに出たのでしょう。
ジェムステートは父シルバーステート、母父サクラバクシンオーという血統。一族には1989年の菊花賞(G1)を勝ったバンブービギンなどもいますが、今日の勝ち方を見ると短いところでスピードを活かす競馬が合っていそうです」(競馬誌ライター)
また、このレースでは騎乗していた三浦騎手も貫禄を示した。
同騎手といえば、今月19日に開催されるフェブラリーS(G1)出走を目指していたお手馬ギルデッドミラーが先日、故障で電撃引退。昨年の武蔵野S(G3)の覇者であり、前哨戦の根岸S(G3)でも2着だった同馬は有力候補の1頭に挙げられていた。
先週終了時点でJRA通算984勝の三浦騎手にとっても初の中央G1制覇の期待がかかっていただけに、SNSやネット掲示板などには「これは可哀想だな」「三浦騎手持ってなさすぎる」といったコメントが多く集まることに……。
三浦騎手自身も『東京スポーツ』で連載しているコラムに「ぜひこの馬と一緒にG1を…と思っていただけにショックは大きいです」と、複雑な胸の内を綴っている。
それだけに多くのファンから心配されたが、ギルデッドミラーの“悲報”から初のレースとなった今回のレースで見事1着。巧みな手綱さばきで、気丈さをアピールしている。
「ちなみに今回ジェムステートが勝った東京ダート1400mは、偶然にもギルデッドミラーのラストランとなった根岸Sと同じ舞台でした。何かしら不思議な縁のようなものがあったかもしれませんね」(同)
三浦騎手はレース後、ジェムステートについて「まだトモが緩いので、パンとすればもっと走ってきそう」と評価。管理する鈴木慎師は「当面はダート路線で」と今後を見据えた。
ギルデッドミラー引退からまたすぐ新たな砂のパートナーが現れたのは、三浦騎手にとっても朗報だろう。いずれは“忘れ物”を獲りに行けるような大物に育ってくれることに期待したい。