【フェブラリーS(G1)展望】カフェファラオ、ギルデッドミラー次々“離脱”で1強ムード?「鞍上変更」レモンポップの勝算は……

レモンポップ 撮影:Ruriko.I

 第40回フェブラリーS(G1)が19日、東京競馬場のダート1600mを舞台に開催される。このレースを2連覇中でサウジC(G1)との両睨みだったカフェファラオは海外遠征を決断。主役不在の今年は、新たなスター誕生の期待もかかる。

 戴冠に最も近いのは、デビューから10戦7勝、2着3回とパーフェクト連対を誇るレモンポップ(牡5歳、美浦・田中博康厩舎)だろう。

 前走の根岸S(G3)で重賞初勝利を飾り主役候補に名乗りを上げたが、主戦を務める戸崎圭太騎手がその後にドライスタウトとのコンビでフェブラリーSへ向かうことが判明。レモンポップは回避する可能性も考えられた。しかし、坂井瑠星騎手との初コンビで参戦することが決定。中2週でG1初出走を迎えることとなった。

 これまで1400mを中心に使われ、前走も含めて7ハロン戦では5連勝中。一方で、今回と同じ東京マイルは2回使われ、カトレアS(OP)勝ちはあるものの、2走前の武蔵野S(G3)ではギルデッドミラーに完敗しており、あくまでもベストの距離が1400mなのは間違いない。

 2度の対決で痛み分けに終わったギルデッドミラーだが、根岸S後に故障が判明し、クラブからはまもなく引退が発表された。2強ムードから一転、1強ムードの様相を呈している。

 レモンポップを管理するのは37歳の新鋭・田中博康調教師。根岸Sが自身初の重賞タイトルだったが、この勢いで一気にG1タイトル奪取も狙いたいところだろう。

 結果的にレモンポップを“手放す”形となったのが戸崎騎手。今回はドライスタウト(牡4歳、栗東・牧浦充徳厩舎)に騎乗することになった。

 まだキャリア6戦と浅いが、デビューから3連勝で全日本2歳優駿(G1)を制して、すでにG1タイトルを手中に収めている。その後は3歳春の兵庫CS(G2)で復帰。スタートで出遅れると、初の右回りにうまく対応できず。勝ったブリッツファングから2秒9差の4着に敗れた。

 その後はじっくりと調整され、秋は11月の霜月S(OP)で始動。今度はしっかりスタートを決めると、道中3番手の好位から直線楽に抜け出して古馬相手に完勝を収めた。

 年明け初戦は中京開催のすばるS(L)。断然1番人気に支持されたが、同世代のバトルクライを交わすことができずにクビ差の2着に敗れた。ただし、ドライスタウトはライバル馬よりも2kg重い58kgを背負っており、負けて強しの内容だったといえるだろう。

 左回りに限れば5戦4勝、2着1回の準パーフェクトで、例年に比べるとメンバーがやや手薄な今年なら勝ち負けになる可能性は十分あるだろう。

 過去2年は人気を裏切っているレッドルゼル(牡7歳、栗東・安田隆行厩舎)が三度目の正直を狙う。

 2年前は前哨戦の根岸Sを勝ち、中2週でG1に初挑戦を果たしたが3番人気で4着。昨年はJBCスプリント(G1)Vから3か月半ぶりの実戦で1番人気に推されたが、直線伸びを欠いて6着に敗れた。

 基本的に間隔を空けて本領を発揮するタイプではあるが、今年は再びJBCスプリントからのぶっつけ本番。また、前走は1番人気を裏切って4着に敗れており、臨戦過程にやや不安は残る。

 今年はサウジアラビアからドバイへ転戦するプランもあったが、中間の調整過程で脚元に疲れが出てしまったため、サウジ遠征は取りやめに。代わってフェブラリーSをステップに大目標のドバイGS(G1)へ向かうことになった。

 脚元の状態は気になるところだが、疲れはすぐに回復したようで、1週前には栗東CWで6ハロン81秒7-11秒6の好タイムを馬なりでマーク。状態に関しては過去2年と遜色ないといえるだろう。あくまでも大目標は3月のドバイということになるが、過去2年の借りを返すべく、壮行レースでも無様な競馬はできない。

 短距離路線を歩んできたレッドルゼルに対して、中距離路線に専念していたのがメイショウハリオ(牡6歳、栗東・岡田稲男厩舎)である。

 昨年は、帝王賞(G1)でチュウワウィザード、オメガパフューム、テーオーケインズをまとめて負かして戴冠。秋もダート路線で主役候補の1頭と目されたが、JBCクラシック(G1)で5着に敗れると、1番人気に推された東京大賞典(G1)は3着と不本意な結果に終わった。

 近3走は全て2000mを使われており、それ以前も1800mが中心だった。マイルを走るのは、21年5月の薫風S(3勝クラス)以来。思わぬハイペースになれば、追走で精一杯になる可能性も考えておきたい。逆に久々となるマイルにしっかり対応できれば、勝機も生まれそうだ。

 展開のカギを握るのは、昨年逃げて2着に粘り込んだテイエムサウスダン(牡6歳、美浦・蛯名正義厩舎)だろう。

 C.ルメール騎手と初コンビを組んだ前走の根岸Sは3番人気に支持されるも、14着に惨敗。すると、これを見届けた元騎手の安藤勝己氏が自身のTwitterで「ルメール向きの馬やない」と評価を下していた。

 ルメール騎手とすれば、前回の敗戦を糧に何かしら策を練ってくるだろう。人気落ちは必至なだけにむしろ思い切った戦法も取りやすいはずだ。名手に秘策はあるか。

 今月いっぱいで騎手を引退し、調教師に転身する福永祐一騎手。最終週はサウジアラビアへの遠征を予定しているため、フェブラリーSが国内ラストG1となる。

 福永騎手が跨るのは、重賞2勝の実績があるオーヴェルニュ(牡7歳、栗東・西村真幸厩舎)。この馬の重賞2勝目は、初コンビで制した2年前の平安S(G3)だった。その時は脚抜きのいい重馬場の中を好位から抜け出して6馬身差の圧勝。しかもコースレコードのオマケ付きだった。人馬ともにその時の走りを思い出すことができるか。

 今年は海外馬も参戦してくる。カナダから来日したシャールズスパイト(牡6歳、加・R.アトフィールド厩舎)は、芝を中心にダートとオールウェザーもこなす“三刀流”。マジックマンことJ.モレイラ騎手との初コンビは何とも不気味だ。

 海外からの刺客に加え、今年は地方の実力馬も果敢に挑戦するようだ。昨年の南関東で牝馬2冠に輝いたスピーディキック(牝4歳、浦和・藤原智行厩舎)はこれが中央初登場。南関東へ移籍後7戦6勝の勢いで強豪に胸を借りる。

 これ以外にも、昨年のかしわ記念(G1)覇者ショウナンナデシコ(牝6歳、栗東・須貝尚介厩舎)、根岸S15着から巻き返しを期すヘリオス(セ7歳、栗東・西園正都厩舎)などが登録している。

 今年の上半期ダート王に輝くのはレモンポップか、ドライスタウトか、それとも伏兵馬の一撃が炸裂するか。フェブラリーSは19日、15時40分に発走予定だ。

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