ディープインパクト記念だからこそ武豊、初年度にサトノフラッグで優勝…弥生賞(G2)ゴッドファーザーに絶好舞台

 3月に入って気温も上がり、徐々に春の訪れを感じられるようになった。

 26日には春のスプリント王を決める高松宮記念(G1)を控えているが、その前にクラシックの重要なトライアル、チューリップ賞(G2)と弥生賞ディープインパクト記念(G2)が開催される。

 最近はトライアルを経由せずにクラシックへ直行する有力馬も目立つが、2年前の弥生賞を優勝したタイトルホルダー、同2着シュネルマイスターは後にG1を制覇。昨年の勝ち馬アスクビクターモアは菊花賞(G1)、同2着ドウデュースは日本ダービー(G1)を優勝したようにメンバーレベルは侮れない。

 今年は例年に比べると小粒なメンバーの印象もあるが、この舞台から飛躍する馬が潜んでいても不思議ではない。

『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると、1番人気がトップナイフでタスティエーラとワンダイレクトが続きそう(1日現在)。ただ気になったのは、もう少し注目を集めていそうな素質馬の評価が、思いのほか低かったことである。

ゴッドファーザーに絶好舞台

 では当然ながら、その馬はどれかというとゴッドファーザー(牡3、美浦・萩原清厩舎)に他ならない。

 この馬は伝説の新馬戦ともいわれた宝塚記念(G1)の開催日にデビュー。カルロヴェローチェの3着に敗れたが、2着チャンスザローゼスは後にアイビーS(L)を楽勝し、5着ドゥラエレーデは昨年暮れのホープフルS(G1)を制したようにハイレベルのメンバーが集まっていた。

 勝ち馬のカルロヴェローチェは次走の野路菊S(OP)で断然人気を裏切ったが、1月末の白梅賞(1勝クラス)で復活。ゴッドファーザーにしても次走の未勝利戦大差勝ちと十分なパフォーマンスを見せている。8ヶ月ぶりの休み明けを敬遠されてこの評価なら、むしろ馬券的にオイシイ穴馬となりそうだが、この想定オッズをどこまで信じていいものか。

武豊騎手

 また、鞍上に武豊騎手を起用してきたことも、陣営の期待の大きさを物語る。何しろ、武豊騎手と弥生賞は相性がよく、かつてはディープインパクトでも制している。さらに弥生賞ディープインパクト記念に改称された初年度にサトノフラッグを見事な手綱捌きで優勝に導いた。2年前の参戦はなかったものの、昨年もドウデュースとのコンビで敗れたとはいえ、クビ差2着なら悪くないだろう。

 レースより一足早く皐月賞(G1)でタッチウッドとのコンビが発表されたレジェンドだが、弥生賞を自身の手綱でゴッドファーザーが勝つようなら、結果的に嬉しい誤算となる可能性もありそうだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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