エフフォーリア妹ペリファーニアが関西初見参! 克服すべき未勝利の壁と兄が苦しんだスランプ、気になる指揮官のジャッジは?
今週末は牡牝で3歳世代のクラシックトライアルが開催。日曜中山の弥生賞ディープインパクト記念(G2)も注目のレースだが、土曜阪神のチューリップ賞(G2)には、大物候補として名前の挙がる期待の1頭が出走する。
それは、G1・3勝を挙げて2年前の年度代表馬に選ばれたエフフォーリアの半妹である良血ペリファーニア(牝3、美浦・鹿戸雄一厩舎)のことである。前走に引き続き手綱を任せられたのは、兄の主戦も務めた横山武史騎手。既に引退、種牡馬入りが決まっている名馬だが、涙を流して別れを惜しむ横山武騎手の姿に多くのファンの感動を呼んだ。
エピファネイア産駒の兄に対し、ペリファーニアの父はモーリスへと変わるが、同じノーザンファームの生産馬でオーナーはキャロットファーム。主戦も厩舎も同じという共通点を持つ。電撃引退した兄がターフを去ったタイミングに、妹がクラシック候補として名乗りを上げるようなら、より注目が集まるだろう。
そんなペリファーニアの潜在能力の高さを証明したのが、鮮烈な勝利を飾った昨年12月中山のデビュー戦だ。有馬記念(G1)も開催されたこの日、6Rの2歳新馬(16頭立て・芝1600m)に出走した。スタートしてすぐ、前の馬に進路をカットされる不利もありながら、4コーナー3番手までポジションを上げると後は独壇場。瞬く間に後続を突き放し、ゴール前では流しての楽勝だった。
克服すべき未勝利の壁と兄が苦しんだスランプ
また、最終追い切りでも南Wで85秒6からラスト11秒2の軽快な走りを披露。臨戦態勢は十分に整ったと見てよさそうだが、権利取りのために克服すべき点は2つある。
1つはペリファーニアがいかに期待されていたとしても、1994年に重賞となったチューリップ賞の歴史でキャリア1戦の馬による勝利がないということ。過去24頭が挑んで1998年ロッチラヴウインク、2017年ミスパンテール、22年ピンハイの2着が最高であり、しかも3頭とも桜花賞(G1)本番で馬券に絡むことはなく、後の牝馬三冠でも勝利することは叶わなかった。
ペリファーニアが過去の歴史を塗り替えるには、1着というプラスアルファが欲しいところだろう。
2つ目は、関西への輸送が初めてとなることだ。思えば兄のエフフォーリアがデビューして初めて大きく崩れたのが、断然人気を裏切る9着に惨敗した昨春の大阪杯(G1)だった。この時は中間の追い切りが緩かったなど、陣営でも原因の解明に尽力したものの、2度目の阪神遠征となった宝塚記念(G1)も6着と振るわなかった。
兄妹で馬が異なるとはいえ、兄が初輸送をきっかけに成績を落としただけに、心配が皆無とは言い切れない事情もある。
ただ、鹿戸調教師は「輸送は全く問題ない」と強気なジャッジ。耳にする情報はとにかく能力の高さを褒めるものばかりで、心配より期待の大きさが上回る。ペリファーニアがチューリップ賞を勝つようなら、桜花賞は2歳女王リバティアイランドとの一騎打ちムードになるかもしれない。