240戦4勝「勝率1.7%」…“谷間世代”4年目ジョッキーがそろって極度の不振、4人中2人は今年未勝利の絶望

 JRAでは3月が年度始め。今週末は東西で初々しい新人ジョッキーたちが一斉にデビューを迎える。

 それはつまり今村聖奈騎手や角田大河騎手がいる2年目ジョッキーたちに初めての後輩ができることを意味する。JRAでは毎年3月に各世代の騎手が1つずつ階段を駆け上がっていく。

 今回は競馬界ではまだ若手と呼ばれるデビュー5年目までの騎手を世代ごとに分けて、それぞれの合算した勝率を割り出してみた。すると、他の世代に比べて、大苦戦している世代があった。

【各世代の2023年合算勝率(2月末時点)】

5年目:8.0%
4年目:1.7%
3年目:4.4%
2年目:4.3%
1年目:今週末デビュー

 上の表で最も目立っているのはやはり5年目の8.0%という勝率だろう。すでに何度も重賞を勝っている岩田望来騎手や菅原明良騎手らがいて、黄金世代とも呼ばれている。

 そして、永島まなみ騎手や古川奈穂騎手がいる3年目世代と今村騎手らがいる2年目世代はともに勝率4%台をマーク。もちろん世代内で格差はあるが、合算した数字で見ると、4%台ならまずまずといっていいだろう。

 ところが、1世代だけガクンと成績が大きく落ちる“谷間世代”が今年でデビュー4年目を迎える世代である。

 メンバーは通算勝利数が多い順に、泉谷楓真騎手、秋山稔樹騎手、小林脩斗騎手、原優介騎手の4人。前後の世代に比べると人数自体もかなり少ない。

 4人の中でロケットスタートを決めたのは泉谷騎手だった。初騎乗でいきなり勝利を挙げたが、史上初の同着優勝だったことで注目を浴びた。1年目に19勝、2年目に46勝と着実に勝ち鞍を伸ばしたが、3年目の昨年は14勝しか挙げられず、1年目をも下回ってしまった。

 そんな泉谷騎手と切磋琢磨していたのが秋山稔騎手。1年目に17勝、2年目に42勝を挙げ、順調に成長していたが、やはり3年目に勝ち鞍が20勝に激減している。

 そして小林脩騎手も1年目から5勝→17勝→15勝、さらに原騎手も3勝→16勝→14勝と推移。まさに4人がそろって、“3年目のジンクス”に陥ったといっていいだろう。

 そして迎えた4年目の今年は、4人中2人はいまだ勝利がない。勝利を挙げているのは泉谷騎手と原騎手の2人だけで2勝ずつ。今年は4人合計で240戦4勝という惨状である。

 中でも特に深刻なのが秋山稔騎手で、昨年10月16日の勝利を最後に目下137連敗中。小林脩騎手は、今年に入ってから56回騎乗して1度も馬券に絡んでおらず、昨年12月10日から80連敗中である。

 黄金世代と呼ばれることもある5年目ジョッキーたちはともかく、後輩にあたる2~3年目の世代にまで大きな差をつけられているのは気になるところだ。

 低迷しているとはいえ、泉谷騎手と秋山稔騎手は通算100勝も迫っている。大台に到達した暁には減量特典は消滅してしまう。そうなると、今まで以上に騎乗数の確保が困難になる可能性もあるだろう。

 何かと注目度の高い世代に挟まれた形の4年目ジョッキー四人衆。そろって訪れた試練の時を乗り越え、今後の奮起に期待したい。

GJ 編集部

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