C.ルメール、岩田康誠も認めた2億円馬が「1年7か月ぶり」復活V! 出遅れ→大外捲りも圧巻の好時計、元リーディング騎手にも一筋の光?
4日、中山競馬場で行われた8Rの1勝クラスは、単勝1.8倍のホウオウプレミア(牡4、美浦・奥村武厩舎)が断然人気に応えて快勝。2021年8月の新馬勝ち以来、約1年7か月ぶりとなる2勝目を飾った。
エアグルーヴ一族で叔父にドゥラメンテがいる良血馬が、古馬になっていよいよ本格化の兆しが表れ始めた。
16頭立て芝1600mのレース。鞍上の内田博幸騎手が「脚を滑らせた」と振り返った通り、スタートで立ち遅れてしまったホウオウプレミアは、最後方からの競馬を余儀なくされてしまう。
それでも、3コーナー付近で外から捲り気味に進出を開始すると、4コーナーでは一気に先頭へ。最後の直線に入っても脚色は衰えず、そのまま後続を寄せ付けなかった。
「スタートで後手を踏んだ時はどうかなと思いましたが、終わってみれば2着に1馬身3/4差をつける完勝。このメンバーでは力が違った印象です。
勝ち時計1分32秒8も、先週の幕張S(3勝クラス)をコンマ4秒上回る好タイムでした。マイル路線に矛先を替えてから安定感が出てきましたし、先々も本当に楽しみです」(競馬誌ライター)
ホウオウプレミアといえば、イクイノックスやドウデュースらと同世代で、2019年のセレクトセールにて2億9160万円で取引された高額馬。デビュー勝ちに導いたC.ルメール騎手が「能力がありそう」と話せば、京成杯(G3)前の追い切りに跨った岩田康誠騎手も「ケチをつけるところがない」と絶賛した逸材である。
そんな周囲の期待とは裏腹に、まだ成長途上だったホウオウプレミアはクラシック出走が叶わず。ここ3戦も3連続2着と歯痒い競馬が続いていたが、強気な競馬で押し切った今回の勝利は本格化へのきっかけになりそうだ。
元リーディング騎手にも一筋の光?
また、主戦の内田騎手にとっても、再浮上のきっかけにしたい勝利だ。
かつてダートではサクセスブロッケンやノンコノユメ、芝ではエイシンフラッシュやゴールドシップなどでG1を制した内田騎手。2008年に大井競馬からJRAに移籍すると、翌年には年間146勝を挙げリーディングジョッキーに輝いた豪腕である。
ただ、その後も関東のトップ騎手として存在感を見せていたものの、近年は徐々に成績が低迷。2020年にバビットで制したセントライト記念(G2)を最後に、重賞勝利からも遠ざかっている。
レース後には「これまでとは違ったレースで勝ってくれたように収穫がありました」と、ホウオウプレミアの成長ぶりに手応えを感じていた内田騎手。このまま相棒との継続騎乗や出世が叶えば、久しぶりの重賞制覇が見えてくるかもしれない。