【金鯱賞(G2)予想】プログノーシスは押さえまで! 人気の一角フェーングロッテンも切り、面白い穴馬を推奨

 今回は大阪杯(G1)の重要な前哨戦となる中距離重賞、金鯱賞(G2)を予想していく。

 まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく……ところだが、17年から施行時期が3月に変更されている関係で、それ以前の4年分が役に立たない。前走データに関しては6年分18頭のデータとしたい。

白富士S(L、OP) 5頭
有馬記念 4頭
凱旋門賞 2頭
香港C、香港ヴァーズ、日本ダービー、ジャパンC、小倉大賞典、中日新聞杯、チャレンジC 各1頭

 となっている。

 この6年でG1馬も結構な数出走しており、好走もしているが意外にも最多はリステッドからの臨戦。既存勢力の強い馬より上がり馬の勢いの方がレースに好作用をもたらすのだろう。このリステッドを除くと前走G1出走組が多く、レースの格の高さがわかる。

 続いて人気順の成績を見ていく。こちらは10年分の合計で見る。

1番人気 5-2-1-2
2番人気 1-1-3-5
3番人気 1-0-0-9
4~6番人気 2-3-5-20
7~9番人気 0-4-1-25
10番人気以下 1-0-1-37

 となっている。

 1番人気が鉄板級の堅さだが、2番人気が五分、3番人気はアテにできない。近5年に絞っても1番人気が3勝を挙げているほか毎年馬券に絡んでいるので、ここは逆らわない方が良さそうだ。

 2番人気も3頭入っているので、信用のおける実績の馬が該当するなら押さえるべきか。数字で見ると中穴クラスが中心になりそうだが、近5年で上位人気以外で好走した馬はすべて5番人気以下。8番人気や10番人気といった人気薄も来ているので、相手探しは人気薄も広く検討すべきだろう。


 これを踏まえて「◎」は11番ヤマニンサルバムとする。

 前走は白富士S(L)。内枠からのスタートで抑えて中団より前目に位置取り、少しずつポジションを落としていくが直線で内を突いて伸び、逃げるドーブネをアタマ差捉えきれず3着に終わった。

 2走前の3勝クラスを1番人気で勝ち上がり、オープン入りしたばかりで前走は初のオープンクラスで3着まで入ってきた。未勝利と2勝クラスの脱出に手間取って4歳馬ながらキャリアは13戦と多めだが、13戦もしていながら馬券圏内を外したのはわずか1回。それも4着なので掲示板は確保しているという超堅実派だ。

 前走も2勝クラス、3勝クラスを連勝して臨んでおり、メンバーの揃った中で3着は実力を示したと言えよう。ローテーション的には上述の通り、最多のレースを経由してきており問題なし。脚質も前目で競馬したいタイプのようだが、とにかく前が残りやすい傾向にあるこのレースでは好都合だろう。

 重賞未経験でいきなりG1馬もいるG2戦では荷が重いかもしれないが、好走できるだけの素地はあると見て本命としたい。

マリアエレーナ 撮影:Ruriko.I

「○」は人気サイドだが2番マリアエレーナを挙げる。

 前走は愛知杯(G3)。同枠で内枠だったアートハウスと同じく前を見ながらの3番手追走。重馬場のコンディションで前が残る展開になり、斤量差もあって2着馬を捉えきれず3着に終わった。

 昨年は今年と同じく愛知杯から始動し5戦を消化。京都記念(G2)や天皇賞・秋(G1)のように牡馬の一線級が揃ったレースでは手も足も出なかったものの、小倉記念(G3)のように4コーナー2番手から上がり最速で押し切り、5馬身差をつける圧勝を演じるなどG3重賞では3戦すべてで連対する好走を見せた。

 今年も愛知杯から始動し、道悪と斤量に泣かされたところはあるにせよ、3着に入ったのは立派なもの。スタートは上々だったと言える。陣営も前走の敗因は馬場の悪さを挙げており、持ち味であるスピードの持続力が生かせなかったとしている。ここ2走は消化不良だったとの話で、この馬のパフォーマンスを発揮できればとコメント。

 前走は牝馬限定戦かつハンデ戦で斤量を背負わされるのは仕方ないところがあったが、今回は別定戦ということで斤量は標準的な55kg。馬場も良馬場開催がほぼ確定で、速い時計で決着しやすいこのレースに対応できる勝ちタイムもある。

 このレース、12頭立てながら金子真人オーナーの所有馬が4頭出しと、たまたまかもしれないが攻勢がかかっている。マリアエレーナに関しては父クロフネの産駒19年連続JRA重賞制覇という記録がかかっており、そのクロフネもまた金子オーナーが所有していた馬。こんな流れからもちょっとした仕掛けを感じる。人気するのは確実だが対抗とする。

「▲」も人気しそうだが4番ディープモンスターを推す。

 前走は関門橋S(OP)。1000m通過が56.6秒と超ハイペースで流れる中、7番手を追走。4コーナーからポジションを上げていき、直線では上がり最速で前に残っていた馬を交わし、後ろから来た馬を抑えて勝利した。

 同馬はエフフォーリア世代の「元」クラシック候補。3歳のすみれS(L)勝利まではエリート街道にいたが、皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)と凡走。前哨戦を使わず向かった菊花賞(G1)では5着と辛うじて掲示板は確保したが、昨年走った3戦はいずれもオープンやリステッドにもかかわらず勝ち星を挙げられないまま終了。前走でようやく復調したか、という雰囲気だ。

 ここまで重賞はクラシックの3戦しか走っておらず、真の実力がわからないままになっているが、陣営からは前走を久しぶりに決めてくれたと称賛する声。中間も順調で力を出し切れば重賞でもチャンスはあると強気のコメントが出ている。

 このレースは時計勝負、上がり勝負になる傾向が強いが、少なくとも勝ちタイムに関して言えば前走の2000m1分57秒9は及第点。位置取り次第になるだろうが、長くいい脚を使う展開になれば好走の目はあると見て、一枚落ちではあるが押さえてみたい。


「△」は穴馬6番ルビーカサブランカと人気の軸になるであろう12番プログノーシスの2頭とする。

ルビーカサブランカ 撮影:Ruriko.I

 ルビーカサブランカの前走は愛知杯で、後方待機策から徐々にポジションを上げていったものの、道悪が影響して伸びず8着に敗れている。

 昨年は愛知杯を人気薄で勝利したあと、エリザベス女王杯(G1)まで牝馬限定重賞を5走しているが、後ろから行く脚質が災いしてか掲示板がやっとというレースが続いた。だが、昨年最後のチャレンジC(G3)では普段より前目で運び、牡馬相手に2着に入った。

 陣営も展開に左右される脚質であることは認めており、注文がつくので牡馬に混じると見劣ると弱気なコメントが出ている。ただ、鞍上にはポジションを取りにいく乗り方をするよう注文を出すようで、コメントとは裏腹に一発を狙う気は十分。

 中京2000mは好走歴も多く、相性は良さそうなので陣営の言う通り展開に左右されるところはあるが、前走の負けで人気を落としているだけに狙い目と見て押さえておきたい。

 プログノーシスの前走は中日新聞杯(G3)で、1番人気に推されながらも痛恨の出遅れがあり後方待機策になった。直線では上がり最速で伸びてきたものの、位置が後ろ過ぎて届かず4着に終わった。

 明け5歳でキャリア7戦という少なさ故に「未完の大器」とされてきたが、前走で初めて4着以下に負けたことで、やや疑問符がつき始めているところがある。陣営は前走のあの位置では届かなかったとしながらも、最後の伸びは驚いたとして能力の高さは再認識したよう。今回は川田将雅騎手に手綱が戻るということで、きっちり結果を出してくれるだろうと強気のコメントが出ている。

 確かに鞍上はこの馬の勝ち星をすべて挙げているだけに万全と言えようが、問題は持ちタイム。上がり勝負になれば負けないだけの切れ味はあるのだが、2000mの最速が1分58秒3と57秒台を出している馬がいるだけに見劣るところだ。展開次第で走破タイムも変わってくるだろうが、昨年は1分57秒2とレコードを更新するタイムが出ているだけに、時計勝負になったときに不安が残る。その分だけ印を落として押さえまでとしたい。


 人気サイドでは10番フェーングロッテンを切り。

 前走の中山金杯(G3)は逃げてタイム差なしの3着に粘るなど、菊花賞の大敗は実力でなかったことを証明したと思うが、上述しているようにこの馬は時計勝負、上がり勝負になったときにどちらも足りない印象だ。

 好走の可能性があるとすれば、自ら逃げて時計勝負にならないパターンだが、今回のメンバーには切れ味鋭い馬が少なからずいる。上がり勝負になった場合に前で残り切れないだろうと考えたため、ここは用なしとしたい。

 ということで、今回は2番、4番、6番、11番、12番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。人気サイドが多めなので、堅い決着になった場合は配当も期待しづらいが、ルビーカサブランカが激走するとなかなか面白いことになるのではないか。

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