JRA“ポイ捨て”川田将雅に意地を見せられるか!? 阪神大賞典(G2)「最強コンビ」和田竜二と再タッグ、ディープボンドが挑む偉大な先輩の記録
19日、阪神競馬場で行われる古馬の長距離重賞、阪神大賞典(G2)。仁川の芝3000mで争われる伝統の長距離戦は、これまで数多くの名勝負を生んできた。
競馬ファンから多くの支持を集める1996年のナリタブライアンvsマヤノトップガンのマッチレース、新王者が世代交代を告げたスペシャルウィークvsメジロブライトが行われたのもこの舞台だ。
また、長距離を得意とするステイヤーが連覇するケースもあり、メジロマックイーン(1991~92年)、ナリタブライアン(95~96年)、ナリタトップロード(2001~02年)らの3頭が達成している。
いずれも歴史に残る名馬であるが、これらを上回る3連覇を達成したのは、人気アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)の登場キャラクターとしても、絶大な人気を誇るゴールドシップ(13、14、15年)のみ。そしてこの偉大な記録に挑む資格を持っているのは、21年と22年を連覇したディープボンド(牡6、栗東・大久保龍志厩舎)である。
「最強コンビ」和田竜二騎手と再タッグ
何と言っても注目したいのは、鞍上が主戦の和田竜二騎手へと戻ることだ。川田将雅騎手が手綱を取った近2走の凱旋門賞(仏G1)と昨年の有馬記念(G1)は、いずれも見せ場を作れずに惨敗。無念の降板からコンビ再結成となった和田竜騎手としても、最強コンビの意地を見せたいところだ。
事実、昨秋に陣営から発表された乗り替わりには、ファンから賛否両論の意見が出ていた。昨年の騎手大賞を受賞した川田騎手の実績に関しては、文句のつけようがないほどだが、和田竜騎手もこれといって大きなミスがなかったという声も多数。何しろデビュー戦から大多数のレースでコンビを組み、G1でも連対していたのだから納得だ。
ディープボンド陣営からすれば、G1で惜敗していたこともあり、鞍上強化での化学反応を期待した可能性もあるが、惨敗した近走を考えれば成功したとは言い難い結果。改めてパートナーのことを誰よりも知る主戦に任せたといったところだろうか。
強敵として立ちはだかるのは、皮肉にも近走で乗り替わった川田騎手が新たにコンビを組んだボルドグフーシュだ。昨年の有馬記念で同馬に騎乗して2着に好走した福永祐一騎手(現調教師)からのバトンタッチといったところで、懇意にしている後輩の川田騎手との仲も関係していると考えられる。
相手は強い世代と評判の4歳馬だが、既に同レース連覇の実績を持つディープボンドと和田竜騎手に一日の長があることは間違いない。見方によっては“ポイ捨て”にされた格好になってしまった相棒と、和田竜騎手のコンビが一矢報いることに期待したい。
最高の結果を残せば3連覇どころか、来年の4連覇も夢ではないはずだ。