【ドバイワールドC(G1)展望】パンサラッサら日本馬は8頭が集結!ウシュバテソーロは川田将雅と初コンビ!

パンサラッサ 撮影:Ruriko.I

 25日、UAEのメイダン競馬場では、ドバイワールドカップデーが開催される。そのメイン競走がダート2000mを舞台に行われるドバイワールドC(G1)である。

 1着賞金696万米ドル(約9億4000万円)を懸けて15頭が集結したが、なんと過半数の8頭が日本馬。2011年のヴィクトワールピサ以来の勝利に最も近いと目されているのはあの逃げ馬だ。

 前走のサウジC(G1)を逃げ切り、1着賞金1000万米ドル(約13億円)を獲得したパンサラッサ(牡6歳、栗東・矢作芳人厩舎)。ドバイターフ(G1)との両睨みだったが、前走に続き再びダート戦に矛先を向けてきた。

 これまで国内で唯一走ったダート戦では大敗を喫していたパンサラッサ。前走は最内枠からロケットスタートを決めると、押してハナへ立ったが決して大逃げではなく、ジオグリフがやや離れた2番手を追走する展開だった。

 道中は淡々としたペースで流れ、終始1~2馬身のリードを保ちながら直線に入ると、外から各馬が殺到。しかし、最後まで抜かさせず、大外から追い込んできたカントリーグラマーに3/4馬身差をつけてゴールした。

 芝ダートを問わず、ハナを切った時は簡単にバテないことを証明したパンサラッサだが、今回は1ハロンの距離延長がポイントとなりそう。

 芝では2000mでも結果を残しているが、管理する矢作師が「1800mがベスト」と常々話しているのも事実。さらに前走の逃亡劇もあって、これまで以上にライバル馬たちからのマークもきつくなることが予想される。

 もしパンサラッサが勝てば、1着賞金の約9億円が加算され、生涯獲得賞金は27億円に達する。4着までならアーモンドアイ超えが確実で、日本馬としての最高獲得賞金記録を塗り替えることになる。鞍上を務めるのはもちろん吉田豊騎手だ。

 ウシュバテソーロ(牡6歳、美浦・高木登厩舎)は、昨年のダート路線転向後に6戦5勝の好成績を収めている。目下4連勝中で、近2走は東京大賞典(G1)と川崎記念(G1)を勝利。その勢いはホンモノだ。

 初の海外遠征で、初コンビを結成したのは川田将雅騎手。末脚は確かなだけに、鞍上の仕掛けどころが大きなポイントとなるだろう。

 川崎記念でウシュバテソーロに半馬身及ばず2着に敗れたテーオーケインズ(牡6歳、栗東・高柳大輔厩舎)。4角で内をすくったウシュバテソーロに対し、こちらは外を回した分、若干の距離ロスがあった。直線での両者の伸び脚を見ても、コース取り次第で逆転があってもおかしくなかったはずだ。

 こちらは鞍上に1年2か月の騎乗停止から復帰したばかりのO.マーフィー騎手が起用される。

ヴェラアズール 撮影:Ruriko.I

 ヴェラアズール(牡6歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)は、ウシュバテソーロとは逆パターンで、ダートから芝へ転向して大成功を収めた。

 昨年の秋には3連勝でジャパンC(G1)を制覇。続く有馬記念(G1)でも人気を集めたが、10着に惨敗している。1年2か月ぶりのダート戦で巻き返しなるか。

カフェファラオ 撮影:Ruriko.I

 日本馬ではテーオーケインズと並ぶダートG1・3勝の実績を誇るのがカフェファラオ(牡6歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。好走は左回りのマイル戦に偏ってはいるが、前走・サウジCでは3着に健闘している。7着に敗れたジャパンダートダービー(G1)以来となるダート2000m戦で、距離不安を克服できるか。

ジュンライトボルト

 ジュンライトボルト(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)もダート転向後に頭角を現した1頭。昨年のチャンピオンズC(G1)を快勝して、一躍ダート界の頂点に立ったものの、今年初戦のサウジCで7着に敗れ、連勝は3でストップした。休み明けを1度叩かれ、海外2戦目での上積みに期待したい。

 ここまで名前を挙げた日本馬6頭は全て6歳馬。残り2頭は4歳馬である。

 昨年の皐月賞馬ジオグリフ(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)は、前走のサウジCが初ダートだったが、見せ場たっぷりの競馬で4着に健闘した。好調C.ルメール騎手とのコンビで約1年ぶりの美酒を味わいたい。

 同じ4歳馬でもクラウンプライド(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)は海外経験が豊富。昨年春にUAEダービー(G2)を制した後は、本場アメリカでケンタッキーダービー(G1)にも挑戦した。D.レーン騎手を背に1年ぶりの勝利を再びドバイで飾れるか。

 対する海外馬の中で最注目はカントリーグラマー(牡6歳、米・B.バファート厩舎)だ。

 欧州の多くのブックメーカーでは1番人気の評価を得ている昨年の覇者で、サウジC2着からの参戦は昨年と全く同じ。パンサラッサに逃げ切りを許した前走はレース序盤から好位の外目を追走したが、中盤に差し掛かった辺りで手応えをなくし、位置取りを下げてしまった。直線に入ってからエンジンを再点火し、力強く外を伸びたが、惜しくもパンサラッサを捉えきれなかった。同じ轍を踏むまいと、今回はパンサラッサをがっちりマークしてくるだろう。

 アルジールス(セ6歳、英・S&E.クリスフォード厩舎)は、今年に入ってからメイダンでG2を2連勝中。その後はサウジCも視野に入れていたが、陣営は目標をここ一本に絞ってきた。ブックメーカーの中にはカントリーグラマーに次ぐ2番人気に支持するところもあった。

 ヴィクトワールピサの勝利から12年。その間に日本馬はのべ15頭がこのレースに挑戦したが、2勝目を挙げることができていない。今年は量・質ともに過去一番なのは間違いないだろう。果たしてパンサラッサが逃げ切ってアーモンドアイ超えを果たすのか、それとも他の日本馬が強烈な決め手を見せてくれるのか。注目の一戦は、日本時間25日の25時35分を予定している。

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