【日経賞(G2)予想】道悪不得手と見てアスクビクターモアは切り!二強ムードを打ち砕く道悪と穴馬
今回は天皇賞・春(G1)へ向けた重要なステップレース、日経賞(G2)の予想をしていく。
先週の振り返り。まず、フラワーC(G3)だが△→▲→○で的中。エミューの人気は予想できたが、ヒップホップソウルの人気がなかったことと、パルクリチュードが人気していたことに驚いた。結果として3連複12100円の万馬券を手に入れたので良しとしたい。
一方、阪神大賞典(G2)のジャスティンパレスは順当だったが、切ったボルドグフーシュが2着、さらにノーマークのブレークアップが3着といいところなし。後の祭りになるが、ブレークアップは候補の1頭だったものの、父ノヴェリストの産駒が長距離で結果が出ていないため、諦めた経緯がある。
予想に戻ろう。
まずはいつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
有馬記念 9頭
AJCC 6頭
日経新春杯 5頭
ジャパンC 2頭
菊花賞、中山記念、京都記念、ステイヤーズS、中山金杯、小倉大賞典 各1頭
条件特別(3勝クラス) 2頭
となっている。
G1というレースレベルの高さもあってか前走有馬記念(G1)組が最多。次いで1月に開催されるG2重賞からの臨戦が多く、こちらは十分に間隔を空けて天皇賞・春へと向かうステップとしての出走だろう。条件戦からの勝ち上がりではハードルが高く、条件特別から馬券に絡んだ2頭のみ。
続いて人気順の成績を見ていこう。
1番人気 4-3-0-3
2番人気 1-1-2-6
3番人気 2-0-1-7
4~6番人気 3-2-5-20
7~9番人気 0-3-2-25
10番人気以下 0-1-0-46
となっている。
1番人気は手堅く来ており、近5年でも馬券圏内を外したのは上記の条件馬が来た2018年の1回だけ。ある程度以上信用して良さそうだ。2番人気も3年連続で来ているので、数字は信用できないが傾向としてはアリだろう。数字でもわかる通り、中穴クラスがほぼ毎年必ず馬券に絡んでいる。近年は極端な人気薄は来ていないが、過去10年で例がないわけではないので、気になる馬がいれば検討するのはアリだろう。
そして、またしても土曜中山は雨予報だ。正確に言うと木曜段階からすでに雨が降っており、金曜、土曜さらに日曜も雨模様の予報である。断続的な降り方にせよ、3日間も降雨があれば重馬場はほぼ確実。先週のフラワーCでさえ当日不良で、翌日天候が回復したもののスプリングS(G2)は重馬場だった。不良馬場まで考えられるだけに重馬場適性は重視してみたい。
これを踏まえて「◎」は6番ボッケリーニとする。
前走は有馬記念。スローに落ち着いた流れの中、5番手を追走。3コーナー過ぎでややポジションを落として直線に向かうが、前が残れない上がり勝負になり、伸びきれずに11着と大敗した。
昨年は秋に挑戦したジャパンC(G1)と有馬記念はまるでいいところがなかったが、年初からのG2・ 4戦はいずれも馬券圏内に好走する好調さを見せ、3戦目の目黒記念(G2)ではトップハンデタイの57.5kgを背負って勝利している。
昨年の2着馬であるが、稍重馬場での開催。そして、戦績を辿っていくと不良馬場での勝利があるほか、秋初戦となった京都大賞典(G2)でも稍重で2着に好走。渋った馬場を走った回数こそ少ないが、上がり勝負よりは前目につけて押し切る競馬の方が得意に見える。とかく馬場が悪くなれば速い上がりの勝負にはなりにくいので、この馬にはうってつけのコンディションになるのではないか。G1馬2頭を差し置いてでも推しておきたいので、本命として押さえる。
「○」は人気しそうな感じはあるが4番ライラックを挙げる。
前走はエリザベス女王杯(G1)。すんなりスタートを切ると外枠から下げて後方待機策。馬場が悪いながらもペースが緩まず、そのまま直線へ。先行馬が総崩れする中で、後ろから上がり2位の脚で追い込んだが勝ち馬に届かず、2着同着となった。
3歳春は出遅れグセが災いしてクラシックで大敗続きとなったが、夏を越えて秋には出遅れ起因ではなく、素直に後方待機策を選び結果につなげているので、気の悪さはある程度矯正されたのかもしれない。
重馬場は前走のエリザベス女王杯だけしか経験していないが、レース映像を見るからにかなり馬場状態が悪いレースで、そこを追い込んで2着したのは優秀。しかもG1での話なので、やはり適性は高いのだろう。
今回は京都2歳S(G3)以来の混合戦となるが、ある意味良馬場確定であれば力不足は否めなかったかもしれない。だが、今回は重馬場ほぼ確定。力の足りない分は馬場適性で補って乗り切ってしまうのではないか、と見ている。どちらかというと前残りしやすいレースではあるが、追い込みがまるでダメというわけではない。そこも含めて対抗とする。
「▲」は二強の一角、2番タイトルホルダーを推す。
前走は有馬記念で、外枠から押してハナを主張。そのまま逃げに入ってペースを落としながら直線に向かうが、あえなく失速し9着に敗れた。
有馬記念の敗退はおそらく2走前の凱旋門賞(仏G1)の疲れが抜けきっていなかったためだろう。その凱旋門賞ではホンの一瞬であったが「もしや」という見せ場も作った。結果的には11着と大敗しているが、それでも日本馬で最先着した。
そして戦績を振り返ると国内での重馬場経験はないのだが、稍重では3走しており2勝2着1回と好成績。この中には天皇賞・春制覇や皐月賞(G1)2着が含まれている。凱旋門賞での走りを見る限り、泥田のような極悪馬場にさえならなければ十分対応できるのではないかと見ている。また、知っての通りこの馬は前にいってナンボの馬。このレースを昨年制したことからもわかるように、レースの傾向と合致していることも推せる理由である。
ただ、日経賞では勝っているが同距離同コースの有馬記念は凡走続き。その分だけ割り引いて▲としている。
「△」は穴っぽく7番アリストテレスと3番キングオブドラゴンの2頭を挙げる。
アリストテレスの前走はAJCC(G2)で、外枠から後方待機策。スローで流れる中、ややポジションを上げて直線に向くが、上がり勝負になってしまい伸びきれずに7着に終わった。
ただ、2年前に不良馬場で開催されたAJCCを制しているのは見逃せない。別に重の鬼というわけではなく、実際AJCCを勝った次に走った阪神大賞典では重馬場で7着に敗れたほか、昨年の稍重だった京都大賞典でも見せ場なく11着に大敗している。
近走は後ろからの競馬を試みる機会が多いようだが、好走していた頃は前目につけて押し切る競馬が多かった。不調が続いているので脚質転換を図ろうとしているのかもしれないが、馬場が悪化することで切れ味勝負にならなければ馬券圏内くらいはあるのではないかと考え、押さえてみたい。ただ、勝ち負けまではないだろう。3着狙いの押さえである。
キングオブドラゴンの前走は京都記念(G2)で、内目の枠を生かして3番手につける積極策。直線でも前で粘ったが後ろから来た馬に交わされて4着までとなった。
正直なところこの馬も渋った馬場が大得意とは言い難い面がある。戦績を見ると稍重での取りこぼしも多いので、馬場が渋ること自体は歓迎ではないのだろう。ただ、2走前の日経新春杯(G2)で稍重馬場の中、積極策から人気薄で2着を拾っている。
この馬も前目につけて直線で押し切る競馬が得意なようで、馬場が渋って後ろからの強襲が起こりにくい状況になれば残れる可能性があるのではないか、と踏んでの押さえである。タイトルホルダーと同型馬だが、押さえておく価値はあるだろう。
人気どころでは菊花賞馬9番アスクビクターモアを切り。
前走は菊花賞(G1)で、ハイペースで流れる中2番手を追走し、直線で抜け出して先頭に立つと、ゴール前で並びかけられるもハナ差だけしのいでG1タイトルを手に入れた。
この馬は2走前のセントライト記念(G2)の時に稍重馬場を経験しただけで、この時は2着になっている。ただ、菊花賞がレコード決着だったように、本来はパンパンの良馬場でスピードを生かした押し切る競馬が持ち味なはず。中山コースとの相性は良さそうだが、馬場が渋った場合にその持ち味が生かし切れない可能性が高い。
前目につけて押し切るのはタイトルホルダーと同じ。ただ、タイトルホルダーは重馬場適性が高そうなのに対して、こちらはスピード一辺倒なイメージ。前で競り合って共倒れする可能性もゼロではないが、馬場が悪化したときは前で競馬するのも難しいのではなかろうか。加えてこのレースは前走菊花賞組の好走例が少ない。おそらく前週の阪神大賞典に回るケースが多いせいと思われるが、1例しかないのでそこもマイナス要因とみている。
重馬場適性の差やローテーションの不利を考えて、二強のもう1頭であるこちらは消しとしたい。
ということで、今回は2番、3番、4番、6番、7番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。人気しそうな2頭を押さえたが、二強ムードが漂っているのでこの2頭のどちらかが飛ぶだけでも意外な好配当になる可能性がある。