「地方の刺客」が続々参戦で若手ジョッキーは大ピンチ!? 「4年間未勝利」でも話題、生存競争激化はファンも大歓迎?
今月からJRAで当日免許を有する地方所属騎手は、全ての競走への騎乗が可能となった。これまでは新型コロナの影響で制限されていたが、今後はコロナ前と同様に地方のトップジョッキーが中央競馬で活躍を見せそうだ。
実力主義の勝負の世界で中央地方の垣根を越えた新たな試みは、競馬ファンにとっても歓迎だ。コロナ禍前には森泰斗騎手や吉原寛人騎手、さらに遡れば安藤勝己元騎手や岩田康誠騎手の活躍など、地方所属騎手の卓越した手腕が目立っていた。25日に森泰騎手が早速勝利を収めるなど、存在感を見せ始めた。
それに伴い中央の若手ジョッキーの乗鞍が減少することを懸念する声も出ているが、競輪や競艇といった他の公営競技には一定の成果を残せないと「引退勧告」を告げられる「代謝制度」も存在する。先日、4年ぶりに勝利した西村太一騎手が話題となったものの、競馬の世界ではまだまだ恵まれている方だ。
賞金的にも地方より恵まれている中央だけに、地方から乗りに来る騎手は、ハングリー精神も強い。技術の向上がなければ、成績下位のジョッキーにとっては、より深刻な状況に拍車が掛かることとなるだろう。
「地方の刺客」が続々参戦で若手ジョッキーは大ピンチ!?
土日の開催がメインの中央と違って平日にも開催のある地方競馬所属のジョッキーは乗鞍の数も圧倒的に多い。「鉄人」「大井の帝王」と呼ばれる的場文男騎手などは、JRAで最多勝を誇る武豊騎手を凌ぐ勝利数でもある。こういった大物まで参戦してくるようなら、優勝劣敗による騎手の淘汰は、さらに激しくなるのではないか。
また、『サンケイスポーツ』が報じた記事によると、先日勝利した森泰騎手は「1つ勝ててよかったです。南関で(勝つこと)もいつもうれしいんですけど、コロナで(中央には)全然来られなかったので、やっぱりうれしいですね」と語っていたように、中央での騎乗に強い意欲を見せた。
ドバイワールドC(G1)を制し、競走馬だけでなく騎手の手腕も世界レベルにあることを証明した中央競馬だが、昨秋のG1戦線で短期免許で来日した外国人騎手が、高い技術を見せつけたことも事実。その関係で無念の降板を告げられる騎手も出ているが、ハイレベルの戦いを望むファンも多い。
コロナ禍の制限を追い風に台頭した若手騎手も存在感を見せているものの、若い世代にとっては、ますます騎乗馬の確保が難しい時代となりそうだ。