天皇賞・春(G1)アスクビクターモア陣営の「非情采配」にファン激震! 2年続いた菊花賞馬の乗り替わり

アスクビクターモア 撮影:Ruriko.I

 アスクビクターモア(牡4、美浦・田村康仁厩舎)の陣営が発表した内容に度肝を抜かれたファンも多かっただろう。先日の日経賞(G2)を1番人気で9着に大敗していた同馬だが、本番となる4月30日の天皇賞・春(G1)で横山武史騎手と新コンビを組むことが分かった。

 本馬を管理する田村調教師のコメントによれば、「乗り役に非はなかったと思います。うまくいかなかったので1回リフレッシュしようということ。熟慮した結果です」ということらしいのだが、好騎乗で菊花賞(G1)の優勝をもたらした主戦の田辺裕信騎手からの乗り替わりというだけに穏やかではない。

 確かに日経賞では不完全燃焼に終わったものの、スタートで出遅れたことも凡走した大きな理由として考えられる。しかも当日は雨の影響で不良馬場。レース後のコメントで田辺騎手が「初の道悪にも戸惑って手応えが悪かった」と振り返ったように、稍重までの経験しかなかったアスクビクターモアにとって厳しい状況だったことは間違いないだろう。

 それだけに、天皇賞・春での巻き返しを期待する声も出ていたのだが、その結果がまさかの主戦騎手降板だったのだから、驚くなということに無理があるかもしれない。バトンを受け継ぐ横山武騎手としても、エフフォーリアが引退したこともあり、願ってもないパートナーに巡り合えたといえそうだ。

アスクビクターモア陣営の「非情采配」にファン激震!

 ネットの掲示板やSNSでも、見方によっては非情采配にも映る降板劇に、一部のファンから「これでは田辺騎手が可哀想」「横山武騎手なら期待できる」と賛否両論の声が見られた。白羽の矢が立った横山武騎手としても、今回の乗り替わりが失敗だったと言われないように、好騎乗を期待したいところだ。

 その一方で、菊花賞馬アスクビクターモアの乗り替わりについて、ちょっとしたデジャブも感じられた。

 実は2年前の菊花賞馬タイトルホルダーもまた、田辺騎手から横山武騎手へのバトンタッチを経験していた馬である。その後のタイトルホルダーはエフフォーリアとの兼ね合いもあって、現在は横山和生騎手が主戦を務めているが、2年連続で菊花賞馬に田辺騎手→横山武騎手という乗り替わりが発生したことになる。最終的に手放すこととなった田辺騎手は気の毒だ。

戸崎圭太騎手

 だが、田辺騎手以上にツキがなかったと思われるのは、タイトルホルダーとアスクビクターモアのどちらにも、デビューから3戦で騎乗した戸崎圭太騎手だろう。

「2022年度JRA賞」でMVJを受賞した際、「去年よりひとつでも多く、大きいところも勝てるように頑張っていきたいと思います」と今年に対する意気込みを語っていたが、後のG1馬に騎乗する機会がありながら、チャンスを生かし切れなかったことになる。戸崎騎手の騎乗次第では、G1馬2頭の主戦が戸崎騎手という未来があったかもしれない。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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