川田将雅「捨てた馬」相手に連戦連敗の赤っ恥、「精一杯頑張った結果」でもヴェルトライゼンデ惨敗

ダノンザキッド 撮影:Ruriko.I

 武豊騎手とジャックドールのコンビが、C.ルメール騎手のスターズオンアースの猛追をハナ差で退けた今年の大阪杯(G1)。初コンビを結成した昨年暮れの香港C(G1)では7着と振るわなかったが、コンビ2戦目でG1勝利という最高の結果を残した。

 現役最強の座を争うイクイノックスやドウデュース、タイトルホルダーなどの出走はなかったものの、G1で惜しい競馬の続いたジャックドールは初戴冠。自身のG1・80勝目と最年長G1勝利を飾ったレジェンドの勝利で大いに盛り上がった。

 2番人気ジャックドールと1番人気スターズオンアースがゴール前で繰り広げた攻防は見応え十分。12番人気ファストフォースが大波乱の立役者を演じた高松宮記念(G1)とは打って変わって堅い決着となった。

 実力伯仲の2頭がワンツーフィニッシュした今年の大阪杯だが、勝ち馬から「ハナ+クビ」という僅差の3着に食い込んだ10番人気ダノンザキッドの大健闘も光る。

横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

「悔しいです。枠的にもできることはここまでだったかもしれません。与えられた枠でやるしかないですからね。もう少しでした」

 レース後のコメントでそう振り返った横山和生騎手も、あと一歩のところで勝てなかった悔しさを滲ませた。敗れたとはいえ、1着2着馬とはタイム差なし。7枠13番からのスタートで外を回らざるを得なかったことも痛かったか。

 本馬は、2番人気に支持された前走の中山記念(G2)を11着に大敗していたこともあり、実績の割に侮られた感もあるが、かつての主戦・川田将雅騎手が昨年の同レースで敗れた際、「中山に嫌な記憶が残っている」可能性を示唆していただけに、今年の惨敗も度外視してよかったのかもしれない。

 そんなダノンザキッドだが、一部のファンからネットの掲示板やSNSでちょっとした“川田キラー”であることを指摘する声もある馬だ。3番人気のヴェルトライゼンデで9着と惨敗した割には「具合良くレースを迎えられたと思います。今日に関しては精一杯頑張った結果ということですね」と少しドライに思えるコメントを残した川田騎手だが、その胸中はいかほどのものだろうか。

 3着に敗れた昨年の関屋記念(G3)を最後にダノンザキッドとのコンビを解消。今年の大阪杯で川田騎手がヴェルトライゼンデに騎乗していたように、近5走は別の騎手が手綱を取っているのだが、川田騎手が別の馬に騎乗して同じレースに出走した場合、ダノンザキッドは川田騎手の騎乗馬にすべて先着しているのだ。

ダノンザキッドと川田騎手が騎乗していた馬の成績(敬称略)

2022年
毎日王冠(G2) 3着ダノンザキッド(戸崎圭太)、4着レイパパレ
マイルCS(G1)2着ダノンザキッド(北村友一)、11着ダノンスコーピオン
2023年
大阪杯(G1)  3着ダノンザキッド(横山和生)、9着ヴェルトライゼンデ

 対象となるレースが3つと少ないものの、川田騎手がすべて馬券圏外に敗れていることは興味深い。人気の面でも川田騎手が騎乗した馬の方が上回っていたことも特徴だ。

 天敵ともいえる存在だったルメール騎手を倒し、自身が願っていた日本人騎手によるリーディング奪還に成功しただけでなく、騎手大賞を受賞した川田騎手としても、結果的に“捨てた”格好の馬に赤っ恥をかかされ続けていることは屈辱だろう。

 次に両者が再び激突するのは、どの舞台だろうか。リーディングジョッキーとなった川田騎手の逆襲にも期待したい。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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