皐月賞(G1)勝てばコントレイル、ナリタブライアン級!? ソールオリエンス最内枠ゲットは「三冠ロード」への吉兆か、それとも「魔の1番枠」の凶兆か

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 牡馬クラシック第1弾の皐月賞(G1)が16日、中山競馬場で開催される。今年は近年まれに見る混戦模様となっており、前日最終オッズを見ても1番人気のファントムシーフが4.5倍、9番人気のダノンタッチダウンまでが単勝オッズ20倍未満と、上位はかなり人気が割れている状況だ。

 そんな中、前日時点で2番人気に支持されているのが、横山武史騎手とのコンビで大一番に臨むソールオリエンス(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)である。

 昨年11月の東京で行われた2歳新馬(芝1800m)を勝利すると、キャリア2戦目で京成杯(G3)に出走。4角で外に大きく膨れて他馬の進路を塞ぐ若さも見せたが、直線では別格の末脚を発揮し、クラシック有力候補に名乗りを上げた。

 陣営は2月時点で皐月賞への直行を表明。山元トレセンで2か月間の放牧を経て、3月中旬に美浦に戻ると、ウッドコースを中心に追い切りを重ねてきた。

 1週前には6ハロン80秒8-11秒1の超抜時計をマークすると、最終追い切りでもラスト1ハロン11秒2の切れを見せた。G1で走れる態勢は整ったとみていいだろう。

 そしてキャリア3戦目で迎えるクラシック初戦で注目されたのが枠順だ。ソールオリエンスが引き当てたのはなんと最内1番枠だった。

『スポーツニッポン』の取材に対し、平塚助手は「真ん中あたりが良かったけど」と本音を吐露。過去2戦がいずれも9頭立てだった同馬にとっては試練ともいえる枠順になってしまった。

「調教では問題ありませんでしたが、やはりコーナリングに課題を残しています。一番避けたいのは馬群で揉まれる競馬。この枠順で横山武騎手がどんな手綱さばきを見せてくれるのかに注目ですね」(競馬誌ライター)

 データ的にも皐月賞の1番枠はマイナス要因といえそうだ。フルゲートが18頭になって以降、1番枠からレースを制したのは、1994年ナリタブライアンと2020年コントレイルの2頭だけ。つまり三冠クラスの馬しか勝てていないことになる。

 ナリタブライアンとコントレイル以外には、2009年に1番人気に推されたロジユニヴァースも最内枠からの発走だったが、見せ場なく大敗を喫している。

 また、皐月賞の1番枠といえば、ナリタブライアンが勝って以降、しばらく不運続きだったことも有名だ。

 ナリタブライアンが勝利した翌年の95年は、トウショウフェノマが直前に出走を取消。さらに4年後の99年にはワンダーファングがゲートに収まった後に立ち上がってしまい、前脚を負傷。無念の発走除外となった。

 さらに不運は続く。2000年のラガーレグルスは、ゲートが開いた直後に立ち上がったまま鞍上を振り落として競走中止。そして01年は2番人気ジャングルポケットがスタート直後に躓き後手を踏む致命的な不利で3着に敗れている。その結果、いつしか皐月賞を迎えるたびに「魔の1番枠」や「1番枠の呪い」などのキーワードが話題に上るようになった。

 ただ、02年以降は勝ち馬こそコントレイルまで出なかったが、たびたび馬券には絡んでおり、1番枠の呪いは影を潜めていた。ところが、過去4年の皐月賞は上位人気の馬が1番枠に収まったものの、馬券に絡んだのはコントレイルだけで、他の3頭はそろって4着と馬券圏外に消えている(19年アドマイヤマーズ2番人気4着、21年アドマイヤハダル3番人気4着、22年ダノンベルーガ2番人気4着)。

 ソールオリエンスは果たして、ここ数年の嫌な流れを断ち切って三冠ロードへと突き進むのか。その走りに注目が集まる。

GJ 編集部

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