武豊「ダービー見学危機」から大逆転に成功! スペシャルウィーク、アドマイヤベガ以来の快挙に現実味…好走を後押しする要素もてんこ盛り?

ファントムシーフ 撮影:Ruriko.I

 史上最多ダービー6勝男に願ってもない救世主が登場した。9日に『スポーツニッポン』が報じた記事によると、皐月賞(G1)で3着に入ったファントムシーフが、28日に東京競馬場で行われる日本ダービー(G1)で武豊騎手とコンビを組むことが分かった。

 本馬は共同通信杯(G3)と皐月賞はC.ルメール騎手が騎乗していたが、ファントムシーフに武豊騎手が騎乗するとなると、おそらく青葉賞(G2)を快勝したスキルヴィングに騎乗する可能性が高そうだ。

 青葉賞優勝時にルメール騎手は「ダービー当日はトップコンディションになっていると思います」と大舞台を意識するコメントを述べていた。それだけに、もう1頭のお手馬であるファントムシーフとのコンビ継続の有無に注目が集まったが、結果的にスキルヴィングを選択したことになる。

 対する武豊騎手は、皐月賞で騎乗したタッチウッドが13着に大敗し、賞金的にもダービーの出走が絶望的な状況だった。最悪の場合、見学という可能性もあった中、騎乗馬を確保できたことは大きい。

 先日のNHKマイルC(G1)で3着のオオバンブルマイでの参戦を期待する声も出ていたが、皐月賞3着馬が回ってきたのなら、またとないチャンス。昨年のダービーをドウデュースで制した天才は既に史上最多の6勝を挙げており、今年も優勝して連覇を飾るようなら7勝目という、とてつもない大偉業だ。

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 そして、今回の新コンビ結成はレジェンドにとっても朗報である。実は過去に武豊騎手が日本ダービーを制した際、ちょっとした共通点があるのだ。

好走を後押しする要素もてんこ盛り?

 天才ですらなかなか勝利を掴めなかったダービージョッキーの称号を初めて手に入れたのが、スペシャルウィークと挑んだ1998年。1番人気に推された皐月賞で3着に敗れてからダービーを5馬身差で圧勝した。

 初戴冠した翌年にアドマイヤベガとのコンビで、ダービー連覇という偉業も達成しているが、この年も1番人気に推された皐月賞を6着に敗れてからのリベンジ成功。皐月賞との相性の悪さは、3着に敗れたタニノギムレットやドウデュースも同じだった。

 そういう意味では、1番人気に推された今年の皐月賞で3着に敗れたファントムシーフにも当てはまるのではないか。皐月賞で負けて日本ダービーを勝つのが、近年における武豊騎手の黄金パターンともいえそうだ。

 また、武豊騎手だけでなくファントムシーフにも、ちょっとした好走パターンが見つかった。

 本馬は和田竜二騎手でデビュー戦を勝ち、次走は福永祐一騎手(現調教師)へと乗り替わって連勝したが、コンビ2戦目のホープフルS(G1)は4着に敗戦。続いて共同通信杯はルメール騎手と新コンビで優勝し、コンビ2戦目の皐月賞で3着に敗れている。

 こうして振り返ると、乗り替わり初戦を勝利した2戦目に敗れる傾向が続いている。このパターンがもし続くようなら、武豊騎手へと乗り替わる今回は勝つ順番。既にトップクラスの実力は証明済みであり、ここまで来ると好材料がてんこ盛りだ。

 2年前のダービーで福永騎手とシャフリヤールのコンビが、無敗の二冠を目論んだ横山武史騎手とエフフォーリアを撃破したのは記憶に新しい。横山武騎手が再び無敗の二冠を狙うソールオリエンスと挑む今年のダービー。今度は武豊騎手が「ダービージョッキーの重み」を教えるシーンがあるかもしれない。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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