ソダシを「子供扱い」の怪物候補が復帰戦、8馬身差で大楽勝「第2のレモンポップ」と激突
14日、ヴィクトリアマイル(G1)が開催される東京競馬場の10Rには、3歳ダートの登竜門といえる青竜S(3歳OP)が組まれている。東京のダート1600mという条件は、フェブラリーS(G1)と同じ。2015年の勝ち馬ノンコノユメは、後にジャパンダートダービー(G1)やフェブラリーSを制した。
偉大な先輩に続かんとばかりに、このレースで今年初戦を迎えるのが、ここまでダート3戦2勝のユティタム(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)である。
昨年8月札幌の新馬戦こそ2着に敗れたが、勝ったのが後にヒヤシンスS(L)を優勝し、ドバイのUAEダービー(G2)でも4着に入るペリエールだっただけに相手がやや悪かったか。
ただ、当時ユティタムに跨っていたC.ルメール騎手はレース後、「まだ、ベビーな(幼い)感じですね」と本馬についてコメント。それもあってか約3ヶ月間隔を空けて2戦目の未勝利に臨むと、8馬身差で圧勝。続く1勝クラスも難なく突破を決めて砂の怪物候補の1頭に挙げられるようになった。
今回は4ヶ月半の休み明けになるものの、栗東のCウッドで行われた1週前追い切りでは、G1・3勝馬ソダシを相手に併せ馬で馬なりのまま先着を果たす桁違いのパフォーマンスを披露。ヴィクトリアマイルでも上位人気が予想される実力馬を3歳馬が子供扱いしたのだから、陣営のトーンが上がったのも当然だろう。
ここで結果を出せば、今後はユニコーンS(G3)やジャパンダートダービーなどが視野に入ってくるだけに、力の入る一戦となりそうだ。
「第2のレモンポップ」と激突
だが、そんなユティタムでも一筋縄ではいきそうにないライバル候補も出走を予定している。その相手とは、1戦1勝のキャリアながら、ファンの度肝を抜く圧勝劇を演じたウェイワードアクト(牡3歳、美浦・田中博康厩舎)である。
同馬はデビューこそ先月29日と遅くなったが、青竜Sと同じ東京ダート1600mを舞台に、最後の直線だけで後続に8馬身差をつける大楽勝。乗っていた坂井瑠星騎手もレース後、「返し馬からすごくいい動きだった。レースではこちらの想像以上の動きを見せてくれた」と絶賛したほどだった。1分37秒1の勝ちタイムは、同日に行われた古馬1勝クラスのそれを1秒3も上回ったのだからタダモノではない。
ちなみに10日現在、『netkeiba.com』が公開している青竜Sの単勝予想オッズでも、ウェイワードアクトがユティタムを抑えて1番人気に推されているように、本馬の素質を既に認めているファンも多いようだ。
「坂井騎手、田中博厩舎、そして所有するゴドルフィンのタッグといえば、今年のフェブラリーSを勝ったレモンポップと全く同じ組み合わせであることから、ネット上の一部ファンからは早くもウェイワードアクトに対し『第2のレモンポップ』と期待する声も上がっているようですね」(競馬誌ライター)
今年の3歳ダート路線はデルマソトガケやミトノオー、ヤマニンウルスなど非常に粒ぞろいの印象だが、ヴィクトリアマイルの約40分前に発走が予定されている青竜Sでも将来性豊かな2頭の直接対決に注目してみたい。