【平安S(G3)展望】前走「9馬身差圧勝」川田将雅×グロリアムンディが登場!武豊×ノットゥルノは「20馬身差惨敗」から巻き返しへ
20日、京都競馬場ではダート1900mを舞台とする平安S(G3)が行われる。6月の帝王賞(G1)へのステップレースとしても位置付けられており、例年好メンバーが集結するが、今年はいったいどんな顔触れとなるのか。実績馬を中心に展望していきたい。
ダート転向後は7戦して6連対のグロリアムンディ(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)が最有力か。
唯一連対を外した2走前のチャンピオンズC(G1)はゲートを煽り気味に出てしまい、直線でも前が開かない場面があって12着に大敗。全く力を出せておらず、この一戦は度外視していい内容だった。
その後は3か月の間隔を空けて、3月のダイオライト記念(G2)で川田将雅騎手と初タッグ。初の交流重賞で堂々の1番人気に推された。
道中はじっくり構えて中団を追走。勝負所で進出して先行集団を一気に飲み込むと、直線は1頭だけ違う脚色で伸びて、豪快な抜け出しを決めた。結局、2着馬には9馬身差をつける圧勝で、改めてその実力を示している。
重賞初制覇を飾ったグロリアムンディだが、帝王賞に出走するためにはさらに賞金を加算しておく必要がありそう。前走を見る限り、距離は長い方が良さそうだが、目下の充実度なら一気の500m短縮も難なくこなすだろう。
昨年のジャパンダートダービーを制したノットゥルノ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)はメンバー唯一のG1ウイナー。昨年末の東京大賞典(G1)でも年長馬相手に2着に好走した実力の持ち主だ。
今年初戦の川崎記念(G1)は1番人気のテーオーケインズを横にマークする形でレースを進めた。ところが向正面で苦しくなりズルズルと後退。4角では後方2番手まで下がってしまい、結局10頭立ての8着に敗れた。
後にドバイワールドC(G1)を勝つことになるウシュバテソーロから遅れること3秒3差。着差にして約20馬身も離される惨敗だった。
陣営は「左回りと乾いた馬場」を敗因に挙げていたが、初の京都コースはもちろん右回り。馬場状態は当日になるまで分からないが、輸送で大きく馬体を減らした経験もある馬だけに栗東トレセンからほど近い京都でのレースは願ったりかなったりといえるだろう。もちろん鞍上は11戦中10戦で手綱を取っている武豊騎手とのコンビを予定している。
3月の名古屋大賞典(G3)で重賞初制覇を飾ったハギノアレグリアス(牡6歳、栗東・四位洋文厩舎)は、近2走でコンビを組んだ川田騎手から岩田望来騎手に手が戻る。
屈腱炎による1年8か月もの長期休養から復帰したのは昨年の6月。初戦こそ4着に敗れたが、休み明け2戦目の太秦S(OP)を快勝すると、昨秋のみやこS(G3)と今年1月の東海S(G2)で連続2着し、重賞レベルの力を見せた。
そして迎えた前走は自身初の交流重賞。川田騎手を背に好位集団の後ろでレースを進めると、直線で力強く抜けて出し、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に応えている。
ただし2着のケイアイパープルとはアタマ差で、斤量も同馬より1kg軽かった。今回は今後に向けて真価を問われる一戦となりそうだ。
岩田望騎手とは、過去に未勝利戦と白川郷S(3勝クラス)を勝っており、2戦2勝の好相性。鞍上は今年1月の京都金杯(G3)以来となる重賞勝利も視界に入る。
前走のアンタレスS(G3)で2着したヴァンヤール(牡5歳、栗東・庄野靖志厩舎)も楽しみな1頭だ。
前走は中団前目からメンバー2位タイの上がりを繰り出して、逃げたプロミストウォリアに迫ったが、半馬身及ばなかった。鞍上は「3-4-1-3」と好相性を誇る荻野極騎手。ジャンダルムとのコンビで制した昨年のスプリンターズS(G1)以来の重賞Vを狙う。
サンライズホープ(牡6歳、栗東・羽月友彦厩舎)は近走不振だが、重賞2勝の実績が光る。特に2年前に中京で開催されたシリウスS(G3)でダート1900m戦を制していて、京都でも4戦して3連対とコース実績もある。引き続き幸英明騎手とのコンビで、アンタレスS10着からの巻き返しを図る。
この他には、前走のダイオライト記念でグロリアムンディの2着に逃げ粘ったテリオスベル(牝6歳、美浦・田島俊明厩舎)、同馬から1馬身差の3着だったメイショウフンジン(牡5歳、栗東・西園正都厩舎)、昨年のレパードS(G3)覇者のカフジオクタゴン(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)らも上位進出を狙う。
ここを勝って帝王賞に駒を進めるのは、果たしてどの馬になるのか。久々に京都で行われるダート重賞は20日の15時35分に発走を迎える。