スターズオンアース近親「16冠ベビー」が豪快な大外一気V! C.ルメールら一流騎手でも手余した“癖馬”を今村聖奈の「同期」が一発回答
13日に行われた新潟10Rの三国特別(1勝クラス)は、9番人気の伏兵スタニングスター(牝4歳、美浦・田村康仁厩舎)が優勝。キャリア7戦目にして待望のJRA初白星を手にした。
同馬はG1・10勝の父フランケル、同6勝の母スタセリタとの間に生まれた「16冠ベビー」として、デビュー前から話題を集めた1頭。全姉に2017年のオークス(G1)を勝ったソウルスターリング、近親に昨年の牝馬二冠スターズオンアースがいる超良血だ。
21年11月にデビュー戦を迎えると、当然のように1番人気に推されたものの9着に惨敗。その後は怪我などもあって順調さを欠いたが、昨年8月に船橋競馬場で開催されたJRA交流競走で初勝利を挙げた。
しかし、中央に戻ると1勝クラスの2戦では共に勝ち馬から1秒以上の差をつけられるなど見せ場なし。今回は単勝オッズ39.8倍の人気薄にとどまっていた。
芝1600mに14頭が顔を揃えたレース。スタニングスターは1枠1番から五分のスタートを切ったが、レース前半は後方を追走。3コーナーで外に持ち出すと、徐々に進出をスタートする。
馬群の大外を通って最後の直線を迎えると、馬場の真ん中から力強い伸びを披露。ラスト1ハロンで先頭に立つと、ゴール前では後続の追い上げをクビ差で振り切った。
「スタニングスターはこれまで上がり3ハロン35秒を切ったことが一度もなかったのですが、この日マークした上がりは33秒7。これまでとは見違えるような末脚で見事な大外一気を決めましたね。
この日は馬場入りの際にイレ込んで騎手を振り落とそうとするなど、かなり癖の強い馬のようですが、世界的超良血ということでポテンシャルは間違いなく秘めていると思われます。この白星をきっかけに覚醒する可能性もあるかもしれません」(競馬誌ライター)
またレース後には、テン乗りだったにもかかわらず大胆な立ち回りで中央初白星をスタニングスターにプレゼントした鞍上の佐々木大輔騎手にも「好騎乗だった」など絶賛のコメントがSNSやネット掲示板に寄せられていた。
本馬はその血統背景もあって、初戦は姉ソウルスターリングの主戦も務めたC.ルメール騎手を背に出走。その後も中央では福永祐一騎手(現調教師)、三浦皇成騎手、坂井瑠星騎手といった一流どころが手綱を務めてきたが、勝利はおろか掲示板である5着以内にすら一度も入れずにいた。
そんなトップジョッキーたちでも結果を出すことができなかったスタニングスターで、デビュー2年目の佐々木騎手が見事な“一発回答”を決めてみせた。
「この日2勝を挙げた佐々木騎手は、スタニングスターのオーナーである社台レースホースの所有馬ではこれが初白星にもなりました。昨年はコンビが一度も無かった両者ですが、この勝利をきっかけに騎乗依頼が増すことも考えられるでしょう。同期で活躍している今村聖奈騎手と角田大河騎手が現在は騎乗停止中であることから、2人に代わってここから一気の躍進も期待できるかもしれませんね」(同)
その佐々木騎手はレース後、「直線で馬場のいいところを通れたのが、ラストのひと伸びにつながりました」としてやったりのコメントを残している。継続騎乗が叶えば今後も注目のコンビとなりそうだ。