過去には「JRA未勝利」で日本ダービー(G1)に出走した強者も。異色ローテで戴冠に挑むドゥラメンテ産駒の2歳王者

ドゥラエレーデ 撮影:Ruriko.I

 21日に行われたオークス(G1)は、2歳女王であり桜花賞馬のリバティアイランドが6馬身差の圧勝。種牡馬ドゥラメンテは昨年のスターズオンアースに続いて春の牝馬二冠連覇を達成した。

 今週末も同じドゥラメンテ産駒で2歳G1馬のドゥラエレーデ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)が、東京・芝2400mの舞台で日本ダービー(G1)の戴冠を目指している。

 同馬は昨年末、14番人気の超低評価を覆してホープフルS(G1)を優勝。今春は米国のケンタッキーダービー(G1)出走も視野に入っていたこともあり、始動戦にドバイのUAEダービー(G2)を選択した。

 レースではホープフルSと同じく果敢に先行したものの、惜しくもデルマソトガケの2着に敗戦。その後、脚元に疲れが見られたこともあり、大事を取って米国遠征も断念した。その結果、ドバイ→日本ダービーという類を見ないローテーションが組まれることとなった。

 ちなみに現在、脚元は特に問題ないとのことで、調整も順調に進んでいる様子だ。最終追い切りは栗東の坂路で軽快な動きを披露し、指揮官も「いい状態で出走できそう」と話している。地力は確かであるだけに、状態さえ問題なければ一発も期待できそうだ。

過去には「JRA未勝利」で日本ダービー(G1)に出走した強者も

 なお過去にもドゥラエレーデのように異例のローテかつ、異色の戦歴で日本ダービーに参戦した馬がいる。それが2009年のゴールデンチケットだ。

 近親に皐月賞馬のキャプテントゥーレなどがいる良血であり、栗東・森秀行厩舎に所属していた同馬は、3歳3月に地方・船橋競馬場で開催されたJRA交流競走で初勝利をあげた。

 そこから2戦を挟み、同じく地方・園田の兵庫チャンピオンシップ(G2)で2勝目を記録。収得賞金が十分に加算されたこともあり、同レースをステップにJRAでは勝ち星が1つもなかったにもかかわらず、日本ダービーまで駒を進めた強者である。

 しかも本番では当然のように12番人気の低評価だったが、ロジユニヴァースの7着に善戦した。常識に因われない森厩舎らしい使われ方で春クラシックを賑わせてくれた1頭である。

「ゴールデンチケットは日本ダービーを走り終えた約1ヶ月後には、武豊騎手とのコンビで大井のジャパンダートダービー(G1)にも出走し3着に好走していますね。

晩年は森厩舎から美浦の畠山吉宏厩舎に転厩。12年4月のオアシスS(OP・当時)4着の後、屈腱炎が判明。通算成績22戦3勝で競走生活にピリオドを打ちました。引退後は乗馬として埼玉県や山形県などで繋養されています」(競馬誌ライター)

 なお日本ダービーを制するには騎手を固定するのが好ましいとされているが、ゴールデンチケットとドゥラエレーデはデビュー戦からダービーまで全てのレースで乗り替わりが発生しているなど、やや異端という部分でも共通点がある。

 前走で海外を走った馬が日本ダービーに出走するのは、ドゥラエレーデが史上初となる。結果次第では異例ではなく主流ローテの1つとして確立するかもしれないだけに、好戦を期待したい。

GJ 編集部

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