【日本ダービー1点勝負】ソールオリエンス消しで“倍返し”だ! 本命は実力がありながらも皐月賞で力を出し切れなかった「あの馬」
オークス(G1)はリバティアイランドの相手を桜花賞(G1)上位組に絞ったまでは良かったが、残念ながら的中を手にすることはできなかった。しかし、挫けるわけにはいかない。今週末の日本ダービー(G1)は、オークス以上の配当が期待できる大一番だからだ。
とはいえ、何も準備せず日本ダービーに向かうのは得策ではない。そこでこの日本ダービーで一点的中を目指すにあたり、偉大なる先人の言葉を借りたい。
かつて稀代の競馬予想家である清水成駿氏は、スペシャルウィークとボールドエンペラーで決着した日本ダービーを的中させたとき、『皐月賞のVTRを50回は回した』と語っていた。同様に自分も何度も皐月賞のレース映像を見てみると、実力がありながら明らかに力を出し切れなかった馬がいた。
トップナイフだ。
皐月賞は重馬場ながら1000m58秒5のハイペースで、第3コーナーで5番手以内にいた馬がすべて10着以下に敗退する厳しい流れ。その中には3番人気ベラジオオペラもいた。本来先行馬であるトップナイフの横山典弘騎手は、レース前にメンバー的に流れが激しくなることを想定して、先行することに迷いがあったと語っている。結果、レースは出遅れて、道中も何度も前をカットされるなど、スムーズに運べなかった。
横山典騎手が語っていたように、皐月賞は目一杯の走りをしなかったようで、結果的に余力を残した敗退も良かった。それでも2着タスティエーラを上回る上がり2位の脚には見どころがあり、全力を出しスムーズな競馬であれば、その差は縮まっていたと確信している。
2400mで直線が長い日本ダービーは皐月賞ほど速い流れにはならず、ある程度のポジションにいる馬が有利。オークスの1~2着馬が4コーナーで6~8番手にいたように、皐月賞のような豪快な追い込み決着にはなるまい。しかも今回は皐月賞で速い流れを作ったグラニットとタッチウッドが不在。逃げるのはプリンシパルSを逃げて勝ったパクスオトマニカだろうが、今回は極端に競りかけてくる馬は見当たらず、流れが落ち着くはずだ。
トップナイフは前を見る絶好の位置で競馬ができるだろう。鞍上のベテラン横山典騎手は日本ダービー2勝の実績があり、ワンアンドオンリーは皐月賞4着から、ロジユニヴァースも皐月賞14着からの巻き返しだった。
トップナイフは重賞未勝利ながらホープフルS(G1)2着など実績は十分。今回の日本ダービーは皐月賞上位3頭のソールオリエンス、タスティエーラ、ファントムシーフ、青葉賞(G2)勝ち馬スキルヴィングの4強対決との風潮が強い。確かに、この4頭は有力だと思うが、ここに割って入り勝ち負けになるのがトップナイフとみている。
もう一頭の有力候補は皐月賞上位3頭ではなく、青葉賞のスキルヴィングだ。
皐月賞で落鉄がありながら3着だったファントムシーフに騎乗したC.ルメール騎手が、実際に騎乗して比較して選んだ馬。それだけでも上位争いと判断できる。
そして、東京の芝2400mを2戦2勝と抜群の好相性。木村哲也厩舎は「勝ち負けにならなければ日本ダービーには出走させない」と語っていたので、この参戦は自信の表れだ。昨年イクイノックスで2着だったコンビが、雪辱を果たす機会を得た。青葉賞は日本ダービーを見越した仕上げで余力を残した勝利だったことも評価できる。
皐月賞上位組は過酷な流れで全力を出し切ったものであり、前走のダメージ比較からも、連軸に相応しいのは皐月賞上位3頭よりスキルヴィングだろう。
皐月賞馬ソールオリエンスの実力は認めつつも、皐月賞は展開も馬場もすべてが同馬向きになったのが勝因。この日本ダービーはまったく同じレースにはならない。リバティアイランドと比較する声も聞かれるが、2歳時から活躍して阪神ジュベナイルF(G1)を制したリバティアイランドと、まだ3戦しかしていないソールオリエンスでは、現時点での完成度に大きな差がある。
さらに他の陣営からノーマークだった皐月賞と異なり、今回はマークされる立場。そこでキャリアの差が出るだろうし、皐月賞のようにプレッシャーのない、思い切った競馬はできないだろう。
そしてこれは余談だが、知人の某地方競馬騎手に同馬の評価を聞いたところ「この馬はバカッポではないか?」と語っていた。
バカッポとは気性的な問題があり、騎手の指示に従わない反抗的な面を持つ馬のこと。我々素人目にはまったくわからないし、そういった情報を目にしたこともない。しかし地方競馬の騎手として、重賞を勝つなどの実績があるプロの言葉は決して無視できない。それも同馬の懸念点であることは伝えておこう。
皐月賞2着タスティエーラも、3着ファントムシーフも能力的に大きな差はない。
しかし、この大一番で乗り替わりはマイナスであり、タスティエーラのD.レーン騎手は、仕掛けが早かったヴィクトリアマイル(G1)のソダシも、道中スムーズに乗れなかったオークスのコナコーストからも、大一番で運がない。今年の短期免許で重賞は8戦して未勝利というのも評価を下げる要素。日本ダービーには「運のある馬が勝つ」という格言がある。そういった意味で、レーン騎手には「風は吹いていない」と感じる。
同様にファントムシーフも、鞍上が日本ダービー6勝の武豊騎手であっても乗り替わりはマイナスで、加えてハービンジャー産駒に良馬場の時計勝負は不安がある。
さらに重要なのは枠順だ。今回スキルヴィングは1枠2番、トップナイフは2枠4番とともに絶好枠を引いた。近年の日本ダービーは1枠と2枠が強く、これは大きな追い風。この条件なら横山典騎手は迷わず先行策を取るだろうし、後ろから来るソールオリエンスを封じるには、早め先行で抜け出し、馬場のいいところを選んで脚を伸ばすのが最適な乗り方。もちろん絶好枠のスキルヴィングも自在の競馬ができるだろう。
第90回日本ダービーは、本命トップナイフ、対抗スキルヴィングの馬連1点1万円勝負でオークスの負けを取り戻すどころか、JRA銀行から数十倍にして返してもらう所存だ。