【目黒記念(G2)予想】人気のサリエラは押さえまで、実績重視で狙い頃の中穴の一発にかける
今回は日本ダービー(G1)直後のG2戦としてすっかり定着した伝統の長距離ハンデ重賞、目黒記念(G2)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
メトロポリタンS(L、OP) 7頭
日経賞、大阪-ハンブルクC(OP) 各4頭
日経新春杯、ダイヤモンドS、新潟大賞典 各2頭
天皇賞・春、有馬記念、大阪杯、阪神大賞典、アメリカジョッキークラブC、福島民報杯(OP) 各1頭
条件特別(3勝クラス) 3頭
となっている。
天皇賞・春(G1)が終わると、これといった長距離重賞がないので、中2週でもリステッドを使ってくる組が多いのだろう。ただ、必ずしも長距離戦ばかりではない。中距離戦からの臨戦も少なからずあるため、前走だけでなくキャリア全体を見渡すことも必要かもしれない。G2戦だけあって、条件戦からの臨戦はやや不利か。
続いて人気順の成績を見ていこう。
1番人気 1-2-2-5
2番人気 1-2-0-7
3番人気 2-0-1-7
4~6番人気 1-4-1-24
7~9番人気 4-0-4-22
10番人気以下 1-2-2-74
となっている。
ハンデ戦らしく上位人気がアテにしづらい。近5年でも1番人気、2番人気はともに2頭しか来ておらず、傾向としても過度な信用はしない方が良さそうだ。そして、7番人気以下の穴馬が跳梁跋扈しており、近5年で7頭と約半数を占める。近走成績もさることながら、ハンデとの兼ね合いも考えて押さえる必要がありそうだ。
これを踏まえて「◎」はいきなり穴っぽいところから11番アーティットとする。
前走は大阪-ハンブルクC。中目の枠からスッと出て逃げ馬を前に行かせる2番手追走。長距離戦らしい緩いペースで流れ、4コーナーで先頭に立つとそのまま直線に入り、後続に交わされることなく押し切って勝利した。
4歳馬でここまで11戦のキャリアを積んできているが、馬券圏外に飛んだのがわずか2回。その2回も掲示板は確保しており、大崩れしない堅実派と言える。
まだそれほど走っているわけではないので東京は今回が初参戦となるが、同じ左回りの中京を3走して2勝3着1回をマークしているので、少なくとも左回りを苦にすることはないだろう。関東への輸送は2走前に中山で走っており、このときは3着しているので、輸送があっても崩れない安定感がある。
もちろん重賞は初参戦。ただ、前走のオープン戦は3勝クラスを飛ばして格上挑戦した上で積極的な競馬をして勝利し、オープン入りを果たしているので重賞でもそれなり以上にやれるのではないだろうか。この格上挑戦で勝ったことが災いしたのか、ハンデは前走から2kg増の57kgとなったが、この斤量も2走前に経験しているので問題はなかろう。
また、ここ2年は前残りする傾向が続いており、無理なく前で追走できれば残る可能性は高い。そういう部分も込みで本命としたい。
「○」は人気サイドだが10番ヒートオンビートを挙げる。
前走は不良馬場の日経賞(G2)。タイトルホルダーがハナを奪って逃げる展開を5番手につけて追走し、4コーナーで3番手までポジションを上げていったが、脚を使わされて一杯になり、6着に終わった。
一昨年のこのレースが初重賞参戦で、いきなり2着と気を吐いた。以降中距離~長距離戦の重賞の常連となっているが、ここまで10戦して馬券圏外に飛んだのが4回。うち掲示板にも載れなかったのが2回で、昨年の天皇賞・春(G1)でも4着と実力のほどは証明してみせた。
前走は不良馬場が災いしたのと、タイトルホルダーのペースで走らされてしまったので、度外視していいだろう。むしろ東京2500mという特殊な条件で行われるこのレースとアルゼンチン共和国杯(G2)で2着、3着してきた実績を重視したい。
今回はトップハンデタイの58kgを背負うことになるが、これは天皇賞・春で背負った斤量。今回は天皇賞に比べて3ハロン半短い距離になるだけに、天皇賞で4着があったならここで好戦してもおかしくはなかろう。
「▲」は穴人気しそうだが1番ゼッフィーロを推す。
前走は降雨で稍重馬場のメトロポリタンS(L)。スタートから位置を下げて後ろからの競馬。緩いペースで進んでいった。外から上がり最速の脚で伸びてきたが、前を捉えきれず3着に終わった。
この馬も◎アーティットと同じく4歳馬。かつ堅実派なのも同じで、ここまで9戦のキャリアがあるが、9戦すべてで馬券圏内に入っているというほぼパーフェクトな成績を残してきた。
こちらは3勝クラスを3月に脱出して、前走が初オープン戦だったのだが、そこで馬場が悪かったにもかかわらず、3着に入ったのはそれなり以上の実力があると見ていいだろう。ただ、東京は前走も含めて過去2戦していてどちらも3着止まりというところはやや引っかからないでもない。
オープンで勝っていないこともあってか、ハンデは前走より1kg減の56kgと恵まれた。東京で勝ち星がないにせよ、3着内に好走はしているので、初重賞となるが狙って面白い馬ではないだろうか。
「△」は人気の軸になりそうな16番サリエラと穴馬3番カントルの2頭とする。
サリエラの前走は白富士S(L)で、好スタートから中団につけて追走。平均ペースで逃げ馬が粘る展開だったが、直線で上がり33.7秒の鬼脚であっさり交わして勝利した。
言わずと知れたサラキア、サリオスの下という良血馬。ただ体質の弱さもあって数をまったく使っておらず、4歳馬ながらキャリアはわずか4戦しかない。とは言え、昨年のローズS(G2)で2着に敗れているだけで、残りはすべて勝ち星という良血馬らしい戦績を残している。
ただ、ここまで2000m戦までしか走ったことがないので、2ハロン半延びてどう出るか。もうひとつは斤量で、たった4戦しか消化していないにもかかわらず、上述のローズS2着が重く見られたのか、55.5kgと前走から1.5kg増。馬格のいい馬ではないので、カンカン泣きする可能性もゼロではない。
この先レース出走の選択肢を増やすためにも、さらなる賞金加算は必須で、陣営も必勝態勢であろう。人気するのは確実だが、まだ底を見せていないポテンシャルでどこまでやれるか。
カントルの前走はメトロポリタンSで、こちらは3番手からレースを進める積極策を採ったが、前で2着に粘り込むところで一杯だった。
こちらもダービー馬ワグネリアンの全弟という良血なのだが、兄の華々しいクラシックでの活躍とは対照的に裏街道を地味に走ってきた印象で、かつサリエラのように勝ち星を量産してこなかったのが災いして不人気である。
重賞で掲示板2回だけというキャリアもあって、こちらは56kgと前走より1kg恵まれた。二ケタ連敗中のままであれば押さえるのも躊躇したところだったが、前走で2着と相応の結果を出したことや、ローテーション的にも好感が持てる。ハンデも1kgもらったことであり、あるいは一発の可能性もあると見て押さえておきたい。
ということで、今回は1番、3番、10番、11番、16番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。人気馬は押さえてみたが、一本被りするような人気の仕方ではなさそうで、印通りでもそれなりに好配当は望めるのではないだろうか。