安田記念(G1)「警報級大雨」でソダシやばし!? ジャックドールと「共倒れ」の危機
春の東京5週連続G1開催も今週末の安田記念(G1)がフィナーレ。今年は春のマイル王決定戦にG1馬10頭の超豪華メンバーが集結した。
『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズでは、1日現在でマイルG1を3勝しているソダシ(牝5歳、栗東・須貝尚介厩舎)が1番人気の想定。これをジャックドール(牡5歳、栗東・藤岡健一厩舎)、シュネルマイスター、ソングライン、セリフォスが追いかける構図となっている。
気になるレース展開だが、前走の大阪杯(G1)を逃げ切ったジャックドールが初マイルでもハナを切るかどうかが焦点の一つ。仮に同馬が逃げるなら、ペースはかなり落ち着くことになりそう。
他にウインカーネリアンやドルチェモアなどの逃げ候補もいるだが、いずれもテンからガンガン飛ばしていくタイプではないため、今年の安田記念はミドル寄りのスローで流れる可能性が高い。
もう一つ気になるのが、週末の天気だろう。台風2号と本州付近に停滞する梅雨前線の影響もあって、週末にかけて全国の広い範囲で“警報級”の大雨になる予報が出ているのだ。
「警報級大雨」でソダシやばし!?
安田記念が開催される東京地方では木曜夜に降り始めた雨が、金曜の夕方から夜にかけてピークを迎える。1時間あたり最大15ミリという雨量も見込まれており、土曜も引き続き雨の予報のため、少なからず影響が残るはずだ。日曜こそ晴れマークが出ているものの、馬場の悪化は避けられそうにない。
そこで過去に道悪で開催された安田記念を振り返っておきたい。まず梅雨間近の時期に行われるレースとしては良馬場での開催が多いことに驚かされる。府中の馬場が改修された03年以降の過去20年で良馬場以外の開催は3回だけ。ただし、その3回で馬券に絡んだ9頭中8頭にはある共通点があった。
2004年 稍重
1着 ツルマルボーイ→14番手
2着 テレグノシス→14番手
3着 バランスオブゲーム→5番手
2014年 不良
1着 ジャスタウェイ→11番手
2着 グランプリボス→9番手
3着 ショウナンマイティ→15番手
2020年 稍重
1着 グランアレグリア→7番手
2着 アーモンドアイ→11番手
3着 インディチャンプ→7番手
2004年の3着馬バランスオブゲームを除く8頭に共通していたのは、4角を7番手以下で通過していたという点だ。つまり、他の8頭は道中で中団~後方を追走し、直線で末脚勝負に懸けて上位争いを演じていたことになる。
バランスオブゲーム以外に先行した馬の中には人気の馬もいたが、04年ローエングリン(1番人気5着)、14年ミッキーアイル(2番人気16着)、20年ダノンプレミアム(4番人気13着)などがそろって期待を裏切っている。
つい1か月前に同コースで行われたNHKマイル(G1)も稍重だったが、4角13番手以下の追い込み馬が3着まで占めたのもこのデータを後押しするだろう。
ダートや札幌の洋芝でも実績があるソダシは、いかにも道悪をこなせそうだが、実は芝のレースは良でしか走ったことがない。ジャックドールもデビュー戦で稍重が1度あるだけで、その時は2着に敗れている。
両陣営とも道悪への不安を口にしてはいないが、先行馬だけに馬場が悪化する内ラチ沿いを通らされるようなら、そろって馬群に沈む可能性も無きにしも非ず。果たして今年の安田記念は天気や馬場だけでなく、配当も“大荒れ”となるのだろうか。