「若手の筆頭株」とソダシの元主戦の間に亀裂!? 安田記念(G1)ガイアファースに騎乗も…2人揃ってエージェント変更を迫られた舞台裏

西村淳也騎手 撮影:Ruriko.I

 今週末に行われる安田記念(G1)にガイアフォースとのコンビで参戦を予定している西村淳也騎手。昨年まではローカル開催を主戦場にしていたものの、結果を残したこともあり、今年は主開催で騎乗する機会も増えてきた。

 2月のダイヤモンドS(G3)をミクソロジーで勝利し、14勝を挙げた第1・2回の小倉開催でリーディングジョッキーを獲得。今や若手騎手の筆頭格といえるまでに成長した。インタビューを受けた際に「これからもたくさん勝星を挙げて、大きな舞台でも活躍したいと思いますので、応援よろしくお願いします」と喜んでいた通り、有力馬のガイアフォース陣営から騎乗依頼をもらったことは、絶好のチャンスといえるだろう。

 その一方で、西村騎手を取り巻く環境に変化もあった様子。それまでエージェントを任せていた甲斐弘治氏から坂上玄氏に変更したようだ。近年の成績も上がっているため、両者の関係も良好に思われたのだが、西村騎手側で少々思うところがあったらしい。

「若手の筆頭株」とソダシの元主戦の間に亀裂!?

吉田隼人騎手 撮影:Ruriko.I

「甲斐氏に対する直接的な不満はなかったようですが、同じエージェントの吉田隼人騎手との関係に苦労していたみたいです。現在は中央場所にシフトしつつある西村騎手ですが、2人は少し前までローカルで常にリーディングを争う関係でした。

ただどちらもエージェントが同じため、吉田隼騎手が乗っていた馬に西村騎手が乗るケースも多々……。リーディングを争う間柄ということもあって、ギクシャクしていたという噂も出ていました。西村騎手が甲斐氏に相談した結果、先輩に配慮した自分が出て行くという結論に至ったみたいですよ」(競馬記者)

 一応、西村騎手が身を引いた格好で落ち着くかに思われたのだが、これだけで話は終わらなかったという。なんと、残った吉田隼騎手も甲斐氏から他のエージェントに変更する動きがあったらしいのだ。

「須貝尚介厩舎の後押しもあって成績を伸ばした吉田隼騎手ですが、今年は先週の時点で20勝と低迷している状況です。デビューから主戦を務めていたソダシも降板となり、本人のモチベーションも低下気味でした。そういった事情もあって本人も心機一転したかったのかもしれません。

周りの人から色々なエージェントを紹介されているようですが、なかなか納得いかないようで後任選びは難航しているようです。今年の夏は北海道に腰を据えて騎乗する予定ですが、今年の北海道は例年以上に騎手の数が多いので前途多難ですね」(同)

 というのも、何しろ北海道は連闘や中1週での出走が当たり前。同じ条件のレースも多く、騎乗馬の選定や回しが非常に難しい開催と言われているからである。

 そのスケジュール調整が非常に難しい開催にエージェント抜きで参戦するには、リスクも大きい。このままエージェント付けずに自分でやるのか、それとも新たなエージェントをつけるのかでは成績が大きく変わってくるはず。

 吉田隼騎手としても、できるだけ早く結論を出したいところだ。近々公表されると考えられるが、その判断に注目したい。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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