武豊「絶賛の嵐」で川田将雅&池添謙一にとばっちり!?「これ見ると、武豊のすごさがわかる」大好評のジョッキーカメラでまさかのアクシデント
ソングラインによる史上3頭目の連覇という形で幕を下ろした安田記念(G1)。今年も大盛況だった春のG1シリーズは、これでグランプリ・宝塚記念(G1)を残すのみとなった。
そんな中、春G1の盛り上がりに一役買っているのが、JRAがこの春から導入した「ジョッキーカメラ」だ。
時速60㎞で走るレース中の競走馬の背中から見える景色を、一般のファンも体感できる貴重な映像は、第一弾となった桜花賞から大きな注目を集め、あっという間に全国の競馬ファンに定着した。
先日の日本ダービー(G1)ではジョッキーカメラが公開されなかったが、一部のファンからSNSなどを通じて「物足りない」「何故、公開してくれないのか」「見たかった」という不満が噴出するなど、早くも競馬にとって欠かせないコンテンツとなっている。
そんなファンの声が届いたのか、JRAの公式YouTubeでは先週の安田記念後にジャックドールの武豊騎手、ソダシの川田将雅騎手、メイケイエールの池添謙一騎手という3種類のジョッキーカメラが公開。競走成績以上の人気を誇る3頭だけに、公開わずか1日足らずでいずれも約20万回視聴突破と、大きな反響を呼んでいる。これにはJRAも狙い通りといったところだろうか。
川田将雅騎手&池添謙一騎手にとばっちり!?
しかし、この組み合わせが、まさか2人のトップジョッキーを“公開処刑”してしまうことになるとは、さすがのJRAも想定できなかったに違いない。
発端は、ジャックドールの武豊騎手のジョッキーカメラに対するファンの反応だった。スタートを決めてハナを奪いに行ったものの、外から三浦皇成騎手のウインカーネリアンにハナを叩かれる厳しい展開。それでも冷静なレジェンドは無理せず2番手に控えると、最後の直線では逃げ馬を交わして先頭に立った。
しかし、東京の長い直線はあと200m以上もあることを、武豊騎手の視点から左前方に見える②のハロン棒が示している。懸命に残り200m、100mのハロン棒をパスしていった武豊騎手だが、ゴール寸前のところで右側に視線をやるとソングラインが前方を駆けていた。
結果は5着。武豊騎手の悔しさ、そして粘りに粘った逃げ馬が敗れる瞬間が伝わってくる充実した映像だった。この映像については、複数のメディアが取り上げるなど今回公開されたジョッキーカメラの中でも大きな反響を呼び、すでに50万回視聴を突破している。
中でもファンから特に称賛されたのが、武豊騎手の視線のブレの小ささだ。
SNSなどでも「馬に乗ってるとは思えない」「フォームが安定しているからブレが少ないんだろうな」「やっぱりこの人は天才」といった武豊騎手の高い騎乗技術を絶賛する声が相次いだ。
だが、そんなレジェンドの“超絶スキル”のとばっちりを受けてしまったのが、同時にジョッキーカメラが公開された川田将雅騎手と池添謙一騎手だ。
「めっちゃ揺れてるな……」
川田騎手や池添騎手のジョッキーカメラにも当然、大方はポジティブな反響があった。ゲートインの際に川田騎手がソダシに声をかけて宥めているシーンや、池添騎手がメイケイエールを「大丈夫、大丈夫。いい子だ、よしよし」と優しくエスコートしているシーンなどは、2人の馬に対する愛情が垣間見え、多くのファンが反応している。
しかし、その一方で、おそらくは先に武豊騎手とジャックドールの映像を見ていたであろうファンからは「揺れすぎてて酔った」「ブレブレで何が起こってるのかイマイチわからない」「これ見ると、武豊のすごさがわかる」といった声もあったようだ。
「川田騎手や池添騎手にとっては気の毒な話ですが、武豊騎手と比べられては、どの騎手も『ブレてる』と言われるでしょう。
武豊騎手といえば、昨秋にドウデュースが凱旋門賞(G1)の前哨戦・ニエル賞(G2)を走った際も、(仏競馬を統括する)フランスギャロが武豊騎手のジョッキーカメラを公開しています。その際も現地の関係者からブレの少なさを称賛する声があったように、騎乗フォームの安定感は世界でもトップレベル。
ジャックドールの映像も『武豊騎手ならでは』でしょうし、言ってしまえば川田騎手や池添騎手の映像の揺れ方が、ある意味『ジョッキーカメラとしてはリアル』と言えるかもしれません」(競馬記者)
実際に川田騎手は昨年に続き、今年もリーディングトップを走る現役最強ジョッキーであり、池添騎手もオルフェーヴルやカレンチャンなどの主戦として数多くのG1を制している超一流ジョッキーだ。
武豊騎手のような視線がほとんどブレない安定したフォームは称賛されて然るべきだが、競馬は「コレができないと勝てない」と決めつけられるほど単純なものではない。3人の映像を通じて、改めてジョッキーの奥深さが垣間見えた。