宝塚記念(G1)武豊の起用は「懲罰交代」が濃厚か…G1初勝利の若手が失った関係者の信頼、師匠の逆鱗に触れた「問題行動」の裏側
今年でデビュー5年目を迎えた団野大成騎手(22歳、栗東・斉藤崇史厩舎)。乗れる若手として頭角を現した関西のホープは、ここまで重賞5勝を挙げ、3月の高松宮記念(G1)では12番人気のファストフォースで待望のG1初勝利も達成した。
さらには、先月下旬に6月25日の宝塚記念(G1)にジェラルディーナとのコンビで参戦も決定した。本馬は昨秋のオールカマー(G2)、エリザベス女王杯(G1)を連勝し、暮れの有馬記念(G1)でイクイノックスの3着に入った実力馬。団野騎手にとっても、自身のG1・2勝目すら狙える絶好のチャンスとなるはずだった。
しかし、ジェラルディーナを所有するサンデーレーシングは、今月7日に今度は武豊騎手が新たにコンビを組むことを発表。その結果、当初騎乗予定だった団野騎手は無念の降板となってしまった。その手腕を関係者から評価されているからこそ、巡ってきた宝塚記念の騎乗依頼だが、この不可解にも思える乗り替わり劇の裏側が見えてきた。団野騎手と陣営の間に一体何があったのだろうか。
「ジェラルディーナのコンビ決定は、久々に武豊騎手が重賞でサンデーRの有力馬に騎乗することでも話題となりましたが、こちらについては“鞍上強化”というより、団野騎手に対する“懲罰”の意味合いが強かったようです。
というのも団野騎手に度重なる寝坊や遅刻があったようで、斉藤師の逆鱗に触れてお灸を据えられたみたい。実際、宝塚記念の降板が発表されてから自厩舎からの騎乗依頼はありません。ただ追い切りなどには乗っていますし、追放ではないですね」(競馬記者)
とはいえ、記者の話によると問題なのは寝坊や遅刻の原因にあるという。
師匠の逆鱗に触れた「問題行動」の裏側
「どうやら同期の若手騎手らと夜な夜な北新地などの歓楽街に繰り出して飲み歩いていたようです。もう未成年ではありませんから、多少ハメを外すくらいなら大きな問題とはならないのですが、仕事に支障が出たとなると話が変わってきます。
騎手という職業は若いうちから同世代に比べて大金を稼げるため、遊びたい気持ちは分からなくはないですが、そこはオンとオフを切り替えていかないといけません。真面目で向上心があると評価されていた団野騎手だけに、関係者からも意外という声も結構聞かれました。せっかく光るモノがあって、活躍できる環境も整っているのですから、もう少し気を引き締めて欲しいところですね」(同)
また、団野騎手はスマートフォンの不適切使用の発覚で謹慎中だった今村聖奈騎手とも食事をしていたようだが、いずれもいわゆるZ世代繋がり。様々な意味で自由奔放さに注目の集まる世代ということもあり、彼らを監督する側の調教師や関係者とのジェネレーションギャップもあるのかもしれない。
それはそれで現在の若者らしいといえばらしいのだが、社会人としてのルールやマナーは、いつの時代でも重要だ。今回の降板劇についても「身から出た錆」であり、自業自得といわれてもやむを得ないところだ。
現在のポジションに胡坐をかいていると、すぐに他の者にとって代わられるのは、どこの世界においても同じ。この機会にもう一度気を引き締めて、失った信頼を取り戻して欲しい。