川田将雅「僕はとっくに消えていた騎手」…昨夏はまさかのコンビ消滅、恩人・福永祐一のラスト騎乗パートナーと待望の初タッグ
先週1日、中京競馬場の5Rで見事1着となり、JRA通算1900勝を達成したのが川田将雅騎手だ。
2004年の騎手デビューから20年目での達成に「先週あまり良い結果を残すことができず持ち越ししてしまいましたので、こうして1900勝まで辿り着けたことを、改めてとても感謝しています」といった感無量のコメントをウイナーズサークルでジョッキー仲間に囲まれながら残した。
なお1900勝は中央競馬史上10人目、現役では4人目の大記録である。同騎手がここまで成功を収めた理由の1つとして、公私で親交の深い福永祐一元騎手(現調教師)の存在が大きいことは間違いない。
なぜなら川田騎手は今年2月、『netkeiba.com』で公開された「福永祐一騎手引退特集」の中で「その背中から学ぶことは本当に多く、祐一さんに出会えて人生が豊かになったと心の底から思っています」「大げさでも何でもなく、祐一さんとの関係性が遠いものだったとしたら、僕はとっくに消えていた騎手でした」などと、福永元騎手に感謝の言葉を述べているからである。
川田騎手と福永元騎手の関係を象徴するシーンといえば昨年12月、福永元騎手が13年連続で年間100勝を達成した際、川田騎手がプレゼンターを務めてターフィー人形を贈ると、2人は笑顔で熱い抱擁を交わしている。
また川田騎手は後輩代表として、福永元騎手の引退式でも花束を贈呈。「長い間、本当にお疲れさまでした。サウジアラビアで最終騎乗を終えた後のさわやかな笑顔が心に焼きついています。無事に終われて何よりです」などと号泣しながら言葉を送ったことは記憶に新しい。
そして福永元騎手が引退してからも、現役時代に乗っていたボルドグフーシュやクラウンプライド、グロリアムンディ、グランブリッジなどが川田騎手に受け継がれるなど、「両者の絆」は今もなお強く結ばれているようだ。
そして今週9日、川田騎手の手綱でプロキオンS(G3)に出走を予定しているリメイク(牡4歳、栗東・新谷功一厩舎)も、福永元騎手の元お手馬の1頭である。
このレースには川田騎手がここ5戦連続で手綱を取っているシャマルも出走を予定しているのだが、福永元騎手の最後の騎乗馬でもあったリメイクの方を優先したようだ。
海外帰りになるが1週前追い切りでリメイクは、栗東の坂路で4ハロン50秒台の好時計をマーク。管理する新谷師は「ドバイあたりからボリューム感が出てきた」などと話し、ここにきて一段と逞しくなってきているようだ。上位人気も予想されており、ここは昨年12月のカペラS(G3)に続く重賞2勝目を挙げるチャンスだろう。
「川田騎手はもともと昨年8月のクラスターC(G3)でリメイクに騎乗する予定だったのですが、レース当日に出走取消となってしまったことでコンビも消滅してしまったんですよね。
ちなみにこの時のリメイクは負担重量51キロであり、川田騎手は2015年8月以来、同斤量で乗っていなかったため、サウナで汗取りをするなど減量に励んでいたようです。それにもかかわらず乗れなくなってしまったクラスターCの分まで、今回は期待したいです」(競馬誌ライター)
ちなみに前走のドバイゴールデンシャヒーン(G1)では5着に敗れたリメイクだが、手綱を取っていた武豊騎手は「世界レベルでやれる馬」とレース後に高評価を与えた。再び海外へ羽ばたくためにもここで満点回答を出せるだろうか。