かつての関西ホープが今年「わずか3勝」の大苦戦…大一番を前に「降板」した元パートナーとコンビ再結成も叶わず
今年3月のドバイゴールデンシャヒーン(G1)で5着に健闘したリメイクが、9日のプロキオンS(G3)で帰国初戦を迎える。鞍上は前走の武豊騎手から川田将雅騎手に替わる予定だ。
そのため、同騎手がここ5戦連続で手綱を取り続けていたシャマル(牡5歳、栗東・松下武士厩舎)は、坂井瑠星騎手を新たなパートナーに迎えてプロキオンSに臨むこととなった。
その一方で、シャマルとの再コンビが叶わなかったのが、かつての主戦騎手・川須栄彦騎手である。
人馬は2021年3月のデビュー戦から12戦連続でコンビを組み続け、交流重賞で3勝を挙げるなど活躍。昨年の南部杯(G1)でも勝ったカフェファラオと0秒1差の3着に好走したように名コンビでもあった。川須騎手はレース後「初めてのG1、距離、コースでしたが、最後に迫ってくれたのは今のシャマルの充実ぶりですし、力のある証拠です」とパートナーを褒め称えていた。
しかし、続くチャンピオンズC(G1)でシャマル陣営は川田騎手との新コンビを発表。大一番を前にして川須騎手の降板が決まった。
「私もシャマルは川須騎手が乗り続けると思っていただけに、この乗り替わりには驚いた記憶があります。ネット上などでも一部のファンから『嘘だろ……』『シャマルと川須騎手のコンビをG1で見たかったのに』といった声が飛び交っていましたね。
ただ昨年のチャンピオンズCの頃、川須騎手の勝ち星が一桁だったのに対し、川田騎手は全国リーディングのトップに君臨していました。おそらく陣営はG1獲りへ向けて鞍上強化を図ったということでしょう。弱肉強食の世界ですので、こればかりは仕方ないといえそうです」(競馬誌ライター)
ちなみに川田騎手とシャマルのコンビは、5戦して1番人気が4回あったものの1勝のみという地味な成績に終わっている。その川田騎手が今回のプロキオンSでリメイクの方を選んだことで、シャマル×川須騎手のコンビ復活も期待されたが、残念ながら元主戦にシャマルの手綱が戻ることはなかった。
それもあってか、再タッグを望んでいたと思われる一部のファンからは「川須騎手でいいのに」といった声も出ていた。
「ただ2人の現状を考えると、やや納得せざるを得ない事情もあります。プロキオンSでシャマルと新たにコンビを組むことになった坂井騎手は、先週終了時点で54勝を挙げて全国リーディングでも7位につけるなど好調をキープ。昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)のドルチェモア、今年のフェブラリーS(G1)のレモンポップと、いずれもテン乗りながら見事に乗りこなして優勝しているようにトップジョッキーの仲間入りをしています。
それに対し、川須騎手は今年ここまでわずか3勝と苦戦。同騎手といえばデビュー2年目の2011年に年間91勝を挙げ、同年の小倉ターフ賞も受賞したかつてのホープですが、キャリア14年目を迎えた今年は年間勝ち星のペースがピーク時の15分の1以下にまで落ち込んでいます。
ちなみに現在も3ヶ月以上白星から見放されているなど、ここ最近の成績が非常に芳しくないことも、シャマルの手綱が坂井騎手の方へ行ってしまった理由の1つとして考えられるでしょうか」(同)
ただ、キャリアハイをマークして関西リーディング4位に入った11年は、あの武豊騎手の成績を上回ったくらいなのだから、川須騎手の手腕が不足している訳ではないはず。
今回はツキがなかったといえる役回りとなってしまったが、関係者の信頼を勝ち取ることで再びシャマルとコンビを組む日がやってくるかもしれない。