「白毛一族」の夢は終わらない、函館記念連覇に挑むハヤヤッコ

ハヤヤッコ 撮影:Ruriko.I

 昨年の函館記念(G3)で白毛馬史上初のJRA芝・ダート両重賞制覇を決めたハヤヤッコ(牡7、美浦・国枝栄厩舎)は、連覇のかかる今年も函館記念に登録を済ませた。

 本馬は2019年のレパードS(G3)を10番人気で勝利。白毛牡馬として重賞初出走と合わせ、白毛馬としてJRA重賞初勝利を飾った先駆者。古馬になってからも重賞レースを賑わす存在となっている。

白毛一族の歴史

 ソダシの活躍で知られる白毛一族の歴史は、ハヤヤッコの祖母シラユキヒメが2001年2月3日、小倉8Rの4歳上500万下(芝1200m)でデビューしたことから始まる(結果は16頭中11着)。

 その後、夢は仔に託され、シラユキヒメの2番仔ホワイトベッセルが2007年4月1日、阪神1Rの3歳未勝利(ダート1800m)で白毛馬としてJRA初勝利を手にした。

 重賞クラスでは、3番仔のユキチャンが2008年6月18日に川崎競馬場で行われた関東オークス(交流重賞G2)にて初制覇を果たし、同年の秋華賞(G1)では白毛馬として初のG1出走を果たした(結果は18頭中17着)

 その後、白毛一族の夢は9番仔のブチコからソダシ(G1・3勝)などに繋がれているが、白毛牡馬は牝馬ほどの目立った活躍馬が出ていないのが現状である。

白毛一族の夢は続いていく

 昨年の函館記念は降雨の中、重馬場で行われた。人気は7番目と伏兵馬扱いだったが、有利な最内枠を手に入れた。レースでは中団内側に潜り込み、4コーナーで外側に出し最後の直線で先頭に立った。迫りくる1番人気のマイネルウィルトスの猛追を凌ぎ3/4馬身差でゴール。鞍上の浜中俊騎手は馬上で大きく左腕を上げ、ハヤヤッコは白毛の牡馬としてJRA芝重賞初勝利を手にした。

 こうして、シラユキヒメから続く白毛一族の歴史が刻まれていく中、今年もハヤヤッコが函館記念に挑戦する。仮に勝利すれば、同一重賞連覇は白毛馬初となる。

 今年は日経新春杯(G2)、金鯱賞(G2)、新潟大賞典(G3)と3戦して未勝利。しかし、ハヤヤッコは、古馬になって年1回ペースで勝利を続けている馬。その激走が函館記念となることに期待したい。

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