5馬身差「不滅のレコ-ド」でダービー馬、二冠牝馬を一蹴! 古き良き函館記念(G3)に思いを馳せる【東大式必勝馬券予想】

 16日は、北の大地で第59回函館記念(G3)。

 運良くA指定席が当選した。金曜夜出発の夜行バスで八戸の七夕祭りを見学、有名な屋台村で夕食の後は青森港から夜行の青函フェリーで函館へ。帰りは湯の川温泉に寄って新幹線で青森に戻り、夜行バスで東京に月曜朝7時着という算段。

 早くも函館朝市のウニ丼と津軽海峡を臨む競馬場の眺望に心は踊っているが、問題は還暦を過ぎた体に「3連続夜行」が耐えられるかだ。

 伝統の函館記念に話は戻るが、創設当初の勝ち馬にはリユウヅキ(皐月賞)、メジロアサマ(後に秋天)、メジロムサシ(春天・宝塚)、エリモジョージ(春天、後に宝塚)ら強豪が顔を並べる。

 当時は8・9月開催で「超一流馬が夏の避暑静養のついでに小遣い稼ぎに出るレース」だったのだ。しかも札幌競馬場は当時芝コースが無く、1990年に改装され芝コースの運用が始まると一流馬は函館記念の重ハンデを嫌い、定量の札幌記念に蝟集(いしゅう)するようになった。

 そんな訳で1990年以降は“このレースで初重賞勝ち”を狙う、失礼ながらちょっとショボい馬たちが集まるようになった。3連覇で名を馳せたエリモハリアーだって、他の重賞は24戦全敗。金鯱賞、オールカマーの3着が最高で10歳で出た函館記念を14着で現役を引退した。

 私が最も記憶に残る馬は、一流馬がまだ集っていた1988年優勝のサッカーボーイである。

 新馬、特別を9、10馬身差、暮れの阪神3歳S(G1)もコースレコードで8馬身差の圧勝。「テンポイントの再来」と期待されるも皐月賞を回避、日本ダービーも1番人気に応えられず15着と大敗。

 負けて悔しいボーイは、なんと7月に中日スポーツ賞4歳Sに参戦、皐月賞馬ヤエノムテキを子供扱いして復活の狼煙を上げ、勇躍駒を進めたのがこの函館記念だった。

 メリーナイス、シリウスシンボリという両ダービー馬、牝馬二冠のマックスビューティーらが顔を並べる、今では信じられない超豪華メンバー。ここでもサッカーボーイは単勝2.2倍の1番人気に支持される。

 レースでは名手・河内洋を背に道中後方を進み、最終コーナーで先頭に立ったトウショウサミットに並びかけ、直線では後続を引き離す一方。2着メリーナイスに5馬身の差をつけ走破タイム1分57秒8は日本レコード!

 驚くことに現在でもコースレコードで、キヨヒダカの中山ダート1800mとともに永遠に競馬新聞に記載されそうな“昭和の金字塔”である。そして、天才ボーイの生涯最高のパフォーマンスでもあった。

 ボーイ君は続くマイルCSで2個目のG1をゲット。有馬記念3着を最後にターフを去った。種牡馬となってからもティコティコタック(秋華賞10番人気)、ヒシミラクル(菊花賞10番人気、春天7番人気、宝塚6番人気)という人気薄のG1馬を輩出。人気だけは父ちゃんボーイが独り占めしたまま2011年、26歳で天国へ旅立っている。

 ここらで「東大馬券王の大よそー」に移ろう。

 この10年で1番人気は1勝2着1回3着ナシ。連対率20%、複勝率20%。三連単の平均配当は、なんと58万円。まともな予想じゃ当たらないだろう。

 前哨戦ともいえる巴賞の1着馬は、なぜかカラキシ駄目だが(今年はアラタ)負け組の巻き返しが目立つ。ここは巴賞5着、函館コースも5戦して2、3着が計4回のルビーカサブランカを三連単の2・3着軸に推す。

 1着欄には、ここ10年で9頭が該当の「前走が重賞で着順問わず」。去年の覇者だがハヤヤッコ、イクスプロ―ジョン、ヤマニンサルバム、ユニコーンライオンで特大ホームランを狙う!

 ただ、まともに決まった時のために勝てば初重賞となる4歳素質馬ブローザホーン、ローシャムパークの2頭軸マルチもこっそり押さえておく。見事当てて、東京へは新函館北斗18:40発の北海道新幹線グリーン車で当日中に帰りたいな~。

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

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