『ウマ娘』藤田晋オーナーの所有馬が「ゴルシワープ」発動!? 武豊も高評価を与えた「逸材」がついに本格化

撮影:Ruriko.I

 15日、福島競馬場のメインに行われたバーデンバーデンC(3勝クラス)は、6番人気のデュガ(牡4歳、栗東・森秀行厩舎)が後続に3馬身差をつけて快勝した。

『ウマ娘』でおなじみの藤田晋オーナーが所有するデュガ。一昨年8月に武豊騎手を背に、いきなりオープン特別のフェニックス賞でデビュー(3着)するという離れ業をやってのけ、また藤田氏もこのレースがJRA馬主としての初陣だったことで話題を集めた1頭である。

 デュガはその後、2歳時に2勝を挙げたものの、3歳となった昨年は7戦して白星ナシ。ただ、約半年の休養を挟んで臨んだ前走の2勝クラスで、およそ1年7ヶ月ぶりの祝杯をあげるなど、ここにきて復活の兆しを見せていた。

 連勝を目指して臨んだ今回は、最内1番枠から五分のスタート。前走に引き続き手綱を取った菅原明良騎手がレース後「じっくりためて乗りました」と振り返った通り、道中は馬群から離れた後方3番手を追走する。

 本馬を除く10頭が荒れた馬場を嫌い4コーナーで外を回す中、デュガは最内を選択。最後の直線は内ラチ沿いからスルスルと抜け出し、最後は2着以下に決定的な差をつけてゴールした。

「レース後の菅原明騎手が『このような馬場は上手いと思う』と話していたように、この日の稍重馬場も向いたのだと思いますが、それでもマークした上がり3ハロン34秒5は2位のそれを1秒以上も上回る破格の時計でした。昨年はやや精細を欠いていましたが、ここにきていよいよ本格化したと見ていいのではないでしょうか。

また管理する森調教師も『もともと能力を高く評価していた』『休養の効果が出た』と語っていましたが、昨年暮れのレースで11着に大敗後、じっくり休ませたのがよかったのでしょう。これから短距離路線で楽しみな存在になりそうです」(競馬誌ライター)

 なお、各馬が荒れたインを嫌って外を走る中、あえてインを突いて抜け出したデュガの走りが、2012年の皐月賞(G1)を勝った際のゴールドシップのそれと似ていたこともあってだろう、SNSやネット掲示板にはレース後「ゴルシワープみたいだったな」「デュガも使えたのか」「いつの間に習得したんだ」などといったコメントも一部ファンから寄せられていた。

 稍重で開催された今から11年前の皐月賞。フルゲート18頭の一戦でゴールドシップは道中、先頭から20馬身ほど離れた最後方の位置取り。3~4コーナーにかけて他の馬が傷んだインコースを避けて外を通る中、同馬と鞍上の内田博幸騎手はあえて内を突くことを選択する。

 すると先程まで一番後ろを走っていたゴールドシップが、最後の直線に向いたところでいきなり前から3番手に出現。そのまま2馬身半突き抜けて完勝した。まるで瞬間移動したかのような3コーナーから直線入り口にかけての走りがファンの間で「ゴルシワープ」と呼ばれており、今でも語り草となっている。

「直線半ばで抜け出すシーンなどは、私も少し似ているなと思いましたね。また菅原明騎手が『少し気難しいところがあるので、気を損なわないように気をつけた』とレース後にデュガについて話していましたが、同じく気性難だったゴールドシップとメンタル的な部分でもどこかしら似通っているのかもしれません」(同)

 2歳時から乗り続けていた武豊騎手も「スピードがすごいです」と評価するなど、デュガは元から能力を買われていた逸材だ。この勝利で晴れてオープン入りとなったが、果たして次戦はどのような走りを見せてくれるだろうか。

GJ 編集部

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