岩田望来「敵前逃亡」に大魔神がとばっちり…リフレイムやエイシンヒカリを思わせる逃避行、坂井瑠星「不利さえなければ確実に2着」

坂井瑠星騎手 撮影:Ruriko.I

 22日、中京競馬場で行われた5Rの2歳新馬(芝1600m)は、永島まなみ騎手が騎乗した4番人気ルクスノアが、2着のマックスセレナーデに3馬身の差をつける圧勝。今村聖奈騎手を抑えて女性騎手トップの勝ち星を挙げている永島騎手の好調さを感じさせる内容だった。

「調教で能力は感じていました。折り合いに課題があると思って、馬の後ろで我慢する競馬をしました。抜け出してからも余裕があり、今後の伸びしろもありそうです」

 会心の勝利をそう振り返った永島騎手に対し、パートナーが不完全燃焼に終わってしまったのが、1番人気のエヴァンスウィート(牝2、栗東・友道康夫厩舎)で3着に敗れた坂井瑠星騎手だ。

 レースはマックスセレナーデが逃げ、それに外から並び掛ける格好でブルーサン、その後ろを内のルクスノア、外のエヴァンスウィートが追走する。勝負どころとなった残り600m過ぎに坂井騎手が追い上げに入ったタイミングでまさかのアクシデントが発生する。

 脚色の鈍った相手を交わそうとした坂井騎手だったが、前を行くブルーサンが急激に外側へ斜行。外を走っていたエヴァンスウィートも巻き込まれ、2頭がそのまま外へと膨らんでいく。

 辛うじて“予期せぬ妨害”をやり過ごしたものの、そうこうしている間に内から末脚を伸ばしたルクスノアが悠々とゴール。エヴァンスウィートも懸命に追い上げたが、4着馬を交わすのが精一杯だった。

 これにはエヴァンスウィートの坂井騎手も「4コーナーまですごく良かったのですが、不利さえなければ確実に2着はあったと思います」と不満のコメント。道中のレース運びに問題はなかっただけに、悔やまれる敗戦といえる。

岩田望来「敵前逃亡」に大魔神がとばっちり

「加害馬のブルーサンに騎乗していたのは岩田望来騎手ですが、4コーナーで外側に逃避したことについて平地調教注意の処分が下されたように騎乗馬の敵前逃亡が原因。まるでリフレイムやエイシンヒカリみたいでしたね。

ただ、鞍上の坂井騎手以上に残念だったのは、大魔神の愛称で知られるエヴァンスウィートの佐々木主浩オーナーかもしれません。本馬の母ハルーワスウィートはオーナー縁の血統。新種牡馬として好調なスワーヴリチャード産駒の期待馬でした」(競馬記者)

 日曜の中京記念(G3)には、近親のディヴィーナも出走したが、こちらは2番人気で2着に敗戦。片や逃避した馬の“とばっちり”を受け、片や1番人気馬を負かしながら8番人気セルバーグの逃げ切り勝ちを許してしまった。

 勝ち負けの期待が大きかった2頭をスタンバイさせていた佐々木オーナーにとっては、想定外の結果が続いた週末だったに違いない。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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