成績低下のM.デムーロ、三浦皇成に「不穏」な噂…腕だけなく馬質も重要な騎手業、彼らが不満を隠せなかった「決定的な理由」とは

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 昨年、自身にとって悲願だった全国リーディングジョッキーのタイトルを獲得した川田将雅騎手。2017年から5年連続で“定位置”を確保していた絶対王者C.ルメール騎手の牙城を初めて崩すことに成功した。

 近年稀に見るルメール騎手の不振に助けられた格好ではあったが、今年は復調を見せた王者と毎週のように熱いデッドヒートを繰り広げ、先週の開催が終わった段階で86勝を挙げて1位のルメール騎手を83勝で2位の川田騎手が追い掛けている状況だ。

 日本を代表するトップジョッキーたちの好成績を支えているのが、騎乗依頼仲介者である。一般的にエージェントと呼ばれる彼らの仕事は「競走に関し、騎手が馬主又は調教師から騎乗依頼を受けるにあたり、騎手本人に代わりその受付を行う者のこと」を指す。ひとりのエージェントが担当できる騎手の人数には制限があり、3名の騎手と若手騎手1名の計4名を受け持つことができる。

 好成績を挙げるために騎手の手腕が重要なことは当然ながら、どんなに巧い騎手でも乗っている馬の能力が足りていなければ勝てない。騎乗馬の質が成績に大きく関係する騎手にとって、有力馬を多く抱えるエージェントの確保は必要不可欠といえる。

 芸能人とマネージャーのような関係性を持つ両者だけに、お互いの相性もあれば、成績低下に伴い関係が決裂することも珍しくはない。

 コロナ禍の制限も緩和されたことにより、短期免許で来日する外国人騎手が増え始めたため、外国人騎手が来るたびにエージェントから外されたり、入ったりと都合のいい扱いをされる騎手にとっては思うところもあるだろう。

 最近でも名の知れた騎手たちにエージェント変更の噂があったという。

成績低下のM.デムーロ騎手、三浦皇成に「不穏」な噂も…

M.デムーロ騎手 撮影:Ruriko.I

「近々、M.デムーロ騎手がエージェントを替えるという話が回ってきました。かつてデムーロ騎手は豊沢信夫氏や井上政行氏らと契約を結んでいましたが、グループ内のルメール騎手や川田騎手の馬質に嫉妬して切り替えた過去があります。ここ数年は関東の川島康孝氏とうまくやっているように見えましたが、成績の方は右肩下がりでした。

子供も生まれて京都に住んでいる関西所属の騎手ですが、栗東での調教に参加しても競馬は関東を主戦場にしていたため、なかなか騎乗依頼が集まらない状況でした。他場に他の騎手が分散した福島開催では、ある程度の騎乗馬を確保できたものの、勝ったのは栗東の牧浦充徳厩舎ばかりという結果でした。

それならいっそ関西のエージェントということで、今後は関西の甲斐弘治氏が担当するそうです。甲斐氏はこれまで吉田隼人騎手や西村淳也騎手などを担当していましたが、両者の関係でちょっとしたいざこざがあって、この夏から2人とも甲斐氏の元を離れていたので枠も空いていました。その他にも短期免許で来る外国人騎手も担当する予定です」(競馬記者)

 また、デムーロ騎手の他にも先日JRA通算1000勝を達成した三浦皇成騎手にも、エージェント変更の話が出ていたらしい。

「三浦騎手は、これまで武山修司氏が担当していましたが、同じグループの菅原明良騎手の成長が著しく、現在の成績は完全に三浦騎手より上になっています。これには先輩の三浦騎手も、そういった状況下に不満を抱いたのか、新たなエージェントを探す動きを見せていました。

三浦騎手といえばエージェント泣かせの細かい性格でも有名です。そのため、デムーロ騎手と同じくこれまでに何人も変更しており、新たなエージェント探しは思いのほか難航したようです。ひとまずは武山氏が継続する方向のようですが、いずれまた変更の話は出てきそうですよ」(同)

 先週からC.ホー騎手が短期免許で来日したように、これからどんどん新たな外国人騎手の来日が予定されているとのこと。

 それを見据えたエージェントの動きや、ワールドオールスタージョッキーズでスポット参戦する外国人騎手の手伝いをする担当も水面下で決まりつつある状況下。これから秋に向けて、表に出回らない人間関係の変化にも注目したいところだ。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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