岩田康誠「武豊に乗り替わり」の危機的状況を回避!? 初重賞で苦杯を舐めた「相性抜群」パートナーと6馬身差の圧勝劇
5日、札幌メインの11Rに行われた札幌日経オープン(L)は、1番人気のブローザホーン(牡4歳、美浦・中野栄治厩舎)と岩田康誠騎手のコンビが、後続に6馬身差をつけて圧勝した。
まさに度肝を抜く強さだった。ブローザホーンは最後方近くを進んだ前走・函館記念(G3)と打って変わり、この日は前から3番手付近につける積極策。引っ張り切りの手応えだったにもかかわらず、2周目3コーナーで押し出されるように先頭に躍り出た。
直線に入り、後続を3馬身ほど引き離した時点で勝負あり。芝2600mを舞台に争われた札幌日経OPだったが、終始ブローザホーンの強さだけが際立つレースとなった。
「前走は重賞で3着だっただけに、ここでは力上位の存在でしたが、それにしても強い競馬でした。(ブローザホーンの父)エピファネイアの産駒は基本的に早熟傾向が見られるのですが、この馬は古馬になって力を付けるなど、これまであまり見られなかったタイプの馬。今後どのくらい強くなるのか楽しみですよ。
なお騎乗した岩田康騎手は6月3日のコパノハンプトン以来、久々の勝利。自身の連敗を56でストップさせています」(競馬誌ライター)
そんな久しぶりの祝杯をあげた岩田康騎手にとっても、この1勝は大きかったに違いない。
2走前の3勝クラスを圧勝していたこともあり、初重賞だったにもかかわらず2番人気に推された前走の函館記念。先述の通り最後方付近からレースを運んだ人馬だが、最後の直線に入ると進路を切り替えるロスが響いて3着に敗れた。
岩田康騎手はレース後「少し迷いが出た」「差が差だけに悔しい」と話すなど、自身の判断ミスが招いた結果を悔やんだ。ゴール前の際立った脚色を見ると、スムーズに捌けていれば勝ち負けまで持ち込めていたかもしれない。
「武豊に乗り替わり」の危機的状況を回避!?
また、その後は札幌日経OPを目指すこととなったブローザホーンだが、事前には武豊騎手にオファーを出す意向があることも報じられていた。
乗り替わりとなる可能性もあった岩田康騎手だったが、最終的には継続騎乗を決めて勝利。これでコンビ成績は3戦2勝3着1回となり、依然として複勝率100%をキープするなど相性抜群である。この数字を見ると、他の騎手が入り込む余地はしばらくなさそうだ。
前走の鬱憤を晴らした岩田康騎手はレース後、「重賞でも勝ち負けするような馬で、今日は強気にいきました」と攻めの騎乗をした旨のコメント。さらに「力をつけています」と、相棒のここにきての成長度も褒め称えた。
これでオープンクラス初勝利となったブローザホーンは、次走候補として来月3日の丹頂S(OP)が視野に入っているとのこと。ここでも賞金を加算できれば、秋の大舞台で岩田康騎手×ブローザホーンのコンビが見られるかもしれない。