イクイノックス妹ガルサブランカ級の衝撃!ライバルと同じ上がり32秒8を披露…浜中俊「正味1ハロンの競馬」にポテンシャルの高さ確信?

C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 先週末の新潟開催でC.ルメール騎手は土日で5勝の活躍。関屋記念(G3)で騎乗を予定していたエターナルタイムが夏負けの兆候で回避する誤算はあったものの、前日の土曜新潟でデビュー勝ちを決めたイクイノックスの妹ガルサブランカとの出会いもあった。

 現役最強馬の半妹という血統的な背景もあり、デビュー前から評価の高かったガルサブランカは、上がり3ハロン最速となる32秒8の末脚で快勝。兄と同じシルクレーシングの勝負服に木村哲也厩舎とルメール騎手という「チーム・イクイノックス」が送り出した逸材に「走り方が軽いのが似ています。能力のある馬で、これから楽しみです」とルメール騎手も手応えを感じた様子だった。

 暑さが苦手といわれる名手が酷暑の新潟に出向いただけあって、騎乗馬のラインアップも充実。重賞勝ちこそなかったとはいえ、意味のある“新潟出張”だったのではないか。

 また、ガルサブランカが期待の評判馬であることに変わりはないが、実は同じ新潟開催でそれ以上に強烈なインパクトを残していた馬がいたことにも触れておきたい。

 それは日曜5Rのメイクデビュー新潟(芝1800m)を圧勝したライトバック(牝2、栗東・茶木太樹厩舎)である。

ライバルと同じ上がり32秒8を披露

 最終追い切りのラスト1Fで11秒2を披露した切れ者に対し、指揮官も「素質を感じる。距離もこなせそうだし、調教通りに走れれば」と期待していたようだが、それに違わぬ破天荒な走りで圧勝を飾った。

 12頭立てのレース。スタートで後手を踏んだライトバックは道中でほぼ最後方の苦しい位置取りとなった上に、逃げたラキアレクサンダーの刻んだ1000m通過のラップは63秒9の超スロー。そんなビハインドを背負いながらも、最後の直線を10番手から目の覚めるような切れ味で先行勢を撫で切ってしまったのだ。

「直線でもスムーズさを欠いて内へ外へと進路を探すロスもありましたが、前が開いてからは次元の違う末脚を披露しましたね。先頭との距離を考えれば、絶望的な位置取りにも映りましたが、この馬には関係なかったようです。

あまりの手応えのよさに、勝利を確信した浜中俊騎手もゴール前で追っていなかったほどでした。イン突きした内の馬が好成績を残していた新潟で外から豪快に突き抜けたのだから価値があります。勝ち方のインパクトだけなら前日のガルサブランカ以上かもしれません」(競馬記者)

浜中俊騎手 撮影:Ruriko.I

 これにはライトバックの手綱を取った浜中騎手も「正味1ハロンの競馬。ポテンシャルの高さを感じました」と最後の切れ味を強調。芝1800mでこれだけの走りができるなら、来年のクラシックを意識できるスケールの持ち主といえるだろう。

 ライバルと同じ上がり3ハロン32秒8をマークしたライトバックだが、奇しくもこちらもキズナ産駒。今春の牝馬二冠を達成したリバティアイランドも夏の新潟から羽ばたいた。今年登場した2頭の大物候補も目が離せない存在となりそうだ。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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