「絶好調」スワーヴリチャード産駒がまたも新馬戦V! キズナやエピファネイアを抑えて2歳リーディング首位に君臨、今週末も「G1馬の妹」がデビュー

横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 またスワーヴリチャード産駒だ。

 13日に札幌で行われた2歳新馬戦(芝1800m)は、中団を進んだ1番人気アーバンシック(牡2歳、美浦・武井亮厩舎)と横山武史騎手のコンビが、最後の直線で先行勢をまとめて捕えて優勝した。

 10頭立てのレース。ハナを奪った横山典弘騎手のマテンロウノカゼが作り出した流れは、1000m通過65秒6という超が付くほどのスロー。ほぼ全頭が末脚を温存して勝負どころへと向かっていった。

 4コーナーを回り終えると4番人気サクソンジェンヌが先頭に並びかけ、抜け出しを図る。残り100mを切った付近でアーバンシックもようやくエンジンが点火。ゴール前でグイッとひと伸びを見せてサクソンジェンヌを交わし去ると、最後は外から来た2着馬の追い上げもクビ差でしのぎ切った。

「アーバンシックは4コーナーから直線入り口にかけてもフワフワとした走りで、まともに競馬をしたのは正味ラストの100mくらいのみだったかもしれません。返し馬でも暴れたりするなど幼い面を見せており、今日のところは素質だけで勝ち切ってしまったのではないでしょうか。

ちなみに血統的には、近親にディープインパクトなどがいるウインドインハーヘアの一族。先月の函館で新馬勝ちしたレガレイラとはいとこの間柄であり、同馬もスワーヴリチャード産駒で母父ハービンジャーであることから、非常に酷似した配合となります」(競馬誌ライター)

 横山武騎手もレース後「追い切りの時から扶助がきかず、競馬を終えることが最大目標だった。馬の能力で勝っただけです」と、まずはレースが無事終了したことに安堵した様子。この後はメンタル面の成長もかねて、放牧へ出される予定だという。秋以降に少し大人になったアーバンシックの姿が見られることを期待したい。

 なおこれが産駒9勝目となった新種牡馬スワーヴリチャードは、今年の2歳種牡馬リーディングでトップに立つなど絶好調だ。

 2017年の日本ダービー(G1)でレイデオロの2着に惜敗したスワーヴリチャードだが、ハーツクライ産駒らしく古馬になってからさらに力をつけて、G1を2勝。19年の有馬記念(G1)12着を最後にスタッド入りを果たした。

 だが、種牡馬としても同期生となったレイデオロの種付け価格が600万円に設定されたのに対し、スワーヴリチャードのそれは200万円。現役時代に制したG1の数は同じだったにもかかわらず、ライバルより評価が下だったのは数字を見ても明らかである。

 だが蓋を開けてみると、レイデオロ産駒がここまでわずか2勝なのに対し、スワーヴリチャードは先述の通り9勝。同期のダービー馬はおろか、モーリスやキズナ、エピファネイアにロードカナロアなど、すでに実績を出している先輩種牡馬たちをも抑えて首位に立っているのだから、この勢いは本物と見て間違いない。

今週末も「G1馬の妹」がデビュー

「スワーヴリチャード産駒の今年の2歳馬の登録頭数は53頭であり、これは上記に挙がった種牡馬たちの中で最も少ない数字となっています。それにもかかわらず現在2歳リーディングのトップに君臨しているのだから、大変立派な成績ですよね。

同産駒は今週末も、20日の新潟・芝1800mでG1馬アドマイヤリードの妹となるアドマイヤベルがデビューを予定しています。ここまで順調に調整が進められているようなので、いきなり好勝負が期待できそうです」(同)

 ポタジェやルージュバックの半弟にあたり、初戦は3着だったスワーヴリチャード産駒のシトラールも、すでに入厩済で時計を出していることから、復帰が近いものと思われる。産駒の快進撃はこれからも続くに違いない。

GJ 編集部

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