「土日5勝」武豊が川田将雅、C.ルメールに負けない存在感…ジャックドールと挑む札幌記念最多勝、絶好調男たちの直接対決に「スーパー金髪」が不気味

ジャックドール 撮影:Ruriko.I

 早いもので7月から始まった夏競馬も残すところあと3週。今週末の20日には札幌競馬場で札幌記念(G2)が開催される。

 スーパーG2と呼ばれる一戦にジャックドール、ウインマリリン、シャフリヤールといったG1馬3頭やG1級の素質馬たちも多数参戦。メンバーの顔触れ的にも今夏最大の注目を集めそうだ。

 また、武豊騎手とのコンビで今春の大阪杯(G1)を制したジャックドールは昨年との連覇が懸かる。初めてマイルに挑戦した前走の安田記念(G1)では5着に敗れたが、陣営としては「無謀な挑戦ではなかった」とのこと。得意の芝2000mに戻る今回は負けられない条件となる。

 中間の調教も順調で好時計をマークしたジャックドール。大阪杯で初G1タイトルをプレゼントした武豊騎手も、先週末の札幌で土日合わせて5勝を挙げたように好調だ。

 同騎手は過去の札幌記念でナリタチカラ、マーベラスサンデー、G2に格上げされた1997年以降もエアグルーヴの連覇(97年、98年)、サクラプレジデント(2003年)、ファインモーション(04年)、アドマイヤムーン(06年)、トウケイヘイロー(13年)と8勝の好相性。9勝を挙げている京都大賞典(G2)に続く同一重賞最多勝を誇っている。

 百戦錬磨のレジェンドなら、記録の更新もいとも簡単に成し遂げてしまうかもしれない。

 これに対し、立ちはだかるライバルたちも強力だ。対抗格と見られているプログノーシスの手綱を任される川田将雅騎手は、先週末の小倉で土日合わせて6勝と武豊騎手の上をいって見せた。

 その川田騎手と白熱したリーディング争いを演じているC.ルメール騎手も新潟で5勝と気を吐いた。騎乗予定のソーヴァリアントは、前走の鳴尾記念(G3)で不可解な敗戦を喫したが、陣営も「状態に関しては申し分ない」と自信の仕上がり。持っている能力は高い馬だけに、闘争心が戻れば巻き返してくるだろう。

絶好調男たちの直接対決に「スーパー金髪」が不気味

ラーグルフ

 勿論、横山武史騎手のシャフリヤールや松岡正海騎手のウインマリリンも怖いが、新潟で4勝した戸崎圭太騎手が騎乗を予定しているラーグルフも不気味な存在だ。

 先週末の新潟は土日で計17鞍に騎乗し、日曜の9Rまで14戦1勝と目立たなかったものの、10Rの三面川特別(2勝クラス)で連敗をストップさせると、その後も関屋記念(G3)、最終レースと破竹の3連勝で締めくくった。

 そんな戸崎騎手だが、土曜に記念すべき1400勝目を決めた際、元々明るい茶色という感じだった髪の毛を金髪にしていたことでもファンを驚かせた。これにはSNSでも一部のファンから「これはスーパー戸崎圭太」「何があったの?心機一転?」「似合っているね」といった声も聞かれた。

 潜在能力の覚醒したキャラクターが金髪になる某格闘漫画を連想させられるイメージチェンジと同じく、もしかしたら戸崎騎手もパワーアップしているのかもしれない。

 コンビを組むラーグルフは掲示板に載った5頭すべてが重賞勝ちを決めるなど、ハイレベルなメンバーが集まっていた昨秋のセントライト記念(G2)で5着に入った。昨年の菊花賞(G1)を制したアスクビクターモアも同レースの2着馬。本馬は残念ながら熱中症の症状で早逝してしまったが、本馬のデビューから3戦連続で手綱を取っていたのは戸崎騎手だ。

 志半ばで天国へと旅立った菊花賞馬の分まで、戸崎騎手とラーグルフのコンビに一発を期待したい。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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