武豊ガイアメンテ敗北も「5爺」がメインレースで存在感! 「単勝132.7倍」最年長“相談役”が超人気薄で神逃走劇

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

「『5爺』って言われてます」

 柴田善臣騎手、横山典弘騎手、小牧太騎手、熊沢重文騎手、そして自身を含めて、現在JRAに所属している50代のジョッキー5名をそう称したのは、競馬界の第一人者である武豊騎手だ。

 プロ野球やJリーグなどを見ても分かる通り、通常のプロスポーツ選手といえば大体20歳代半ばから30歳前後にかけて絶頂期を迎える。どれだけ実績を残した選手でも30代後半から40歳を境にして現役から退くのが、スポーツ界ではよく見られる光景である。

 しかしジョッキーは先述の武豊騎手が昨年、53歳にして最高峰のレースである日本ダービー(G1)を制覇。今年5月のNHKマイルC(G1)でシャンパンカラーを優勝に導いたのは、当時52歳の内田博幸騎手だった。

 他のスポーツ選手であればとっくに引退していてもおかしくない年齢にもかかわらず、今なお一線級でバリバリに活躍しているのだから、改めてジョッキーは稀有なアスリートだといえるのではないだろうか。

柴田善臣騎手

 そんな騎手の中でも現役最年長の57歳であり、「5爺」の一員でもある柴田善騎手が2日、新潟メインに行われた古町S(3勝クラス)で大波乱を演出した。

「単勝132.7倍」最年長“相談役”が超人気薄で神逃走劇

 現在、日本騎手クラブの「相談役」を務めることでもおなじみの同騎手がコンビを組んだのはラブリークイーン(牝5歳、美浦・嘉藤貴行厩舎)。同馬にはここ2戦でも跨っていたが、ともに二桁着順に惨敗。特に前走はシンガリ負けを喫していたことから、この日は15頭立て13番人気、単勝132.7倍の超人気薄だったのも無理はない。

 しかしレースでは抜群の好スタートを切ると、軽く気合をつけた程度で楽々とハナを奪う。ダート1800mの一戦で5ハロン通過を61秒8のマイペースに持ち込むと、最後の直線も後続を寄せつけず2馬身差でゴール。単勝万馬券の馬とは思えない圧巻の逃げ切り勝ちだった。

 三連単181万円オーバーの立役者にもなった柴田善騎手にはレース後、SNSやネット掲示板などで「まさかこの馬で逃げ切るとは」「相談役すごすぎます」「これなら60歳まで乗れるな」といった称賛の声が数多く寄せられたのも当然だろう。

 またレース後には柴田善騎手も「今日は返し馬でぐいぐいと行って、レースに集中していました」「気分良く行けて良かったです」と、好気配だったラブリークイーンとの“神逃走劇”に納得のコメントを残していた。

「この日は新潟メインの約20分前にスタートが切られた札幌2歳S(G3)でも、55歳の横山典騎手が4番人気のパワーホールで2着を確保。

また敗れはしたものの、このレースで1番人気のガイアメンテに騎乗していたのは武豊騎手でした。『5爺』の面々が各地のメインレースで存在感を発揮していたことは、全国の同年代のファンはもちろん、現在休養中の熊沢騎手や小牧太騎手にもいい刺激になるといいですね」(競馬誌ライター)

 期待の2歳馬ガイアメンテが敗れたとはいえ、武豊騎手にはドウデュースという絶対的なお手馬がいる。また柴田善騎手とラブリークイーンのコンビもこれで堂々のオープン入り。今後、ダート路線で面白い存在になりそうだ。これから始まる秋競馬でも50代ジョッキーたちの活躍に期待したい。

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