武豊ドナベティを上回る「10馬身差」衝撃V! 海外G1馬複数輩出の名門から新たな「怪物候補」現わる

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 3日、札幌競馬場の芝1200mで行われたすずらん賞(OP)。2着に1馬身1/4差をつけて勝利したのは、武豊騎手とドナベティ(牝2歳、栗東・矢作芳人厩舎)のコンビだった。

 前走のクローバー賞(OP)は2番手からレースを進めるも、直線で失速し5着に敗れた同馬。この日は打って変わり後方からの競馬になると、最後の直線で大外から豪快に差し切ってみせた。

 大胆な脚質転換に同馬を管理する矢作調教師もレース後、「あんなに後ろからで大丈夫かなと思ったが、さすがレジェンド」と鞍上の手腕を称賛。今後は11月のファンタジーS(G3)をステップに、暮れの阪神ジュベナイルF(G1)出走を視野に入れるという。

海外G1馬複数輩出の名門から新たな「怪物候補」現わる

 そんな2歳女王候補のドナベティがマークしたすずらん賞の勝ちタイムは、良馬場で1分10秒4だが、これをなんと未勝利戦、それも稍重の馬場状態で上回ってしまった2歳馬がいる。それが2日の札幌1Rを勝ったピューロマジック(牝2歳、栗東・安田隆行厩舎)である。

 父が朝日杯フューチュリティS(G1)覇者アジアエクスプレスの同馬は、6月の東京ダート1400mでデビュー。当日は2番人気に推されたが、まさかのシンガリ16着に大惨敗……。するとわずか1戦でそれまで所属していた美浦の宮田敬介厩舎から、現在の安田隆厩舎へと転厩することとなった。

斎藤新騎手 撮影:Ruriko.I

 新天地初戦となった前走は10番人気と評価が急落していたが、1着から0秒2差の3着に好走。騎乗した斎藤新騎手がレース後「調教が1本足りないかなという状態」と話していたこともあり、1度使われた今回は上積みも期待され1番人気の支持を集めた。

 初の芝1200m戦だった今回は、ゲートが開くと抜群のダッシュ力でハナへ。4コーナーを持ったままの手応えで回り、最後の直線に入る。斎藤騎手のステッキが入るとグングンと後続を突き放していき、ゴール前は流す余裕もありながらも10馬身差の大楽勝だった。

「早い話、このメンバーの中では能力が一枚も二枚も上でした。叩き出した1分9秒8の勝ちタイムは翌日のすずらん賞はおろか、同日に開催された知床特別(2勝クラス)のそれも上回っていたのですから、この時期の2歳馬としてはまさに衝撃的な強さでしたよ。

ちなみに後続につけた10馬身差は、グレード制が導入された1984年以降、札幌・芝1200mでは最大着差。ひょっとすると怪物候補かもしれません。これから先が本当に楽しみな1頭ですよ」(競馬誌ライター)

 レース後には手綱を取った斎藤騎手も、「能力は上でも通用すると思います」とピューロマジックの見通しについて語っている。

 ちなみに管理する安田隆調教師は、来年の2月一杯で定年を迎える。残りの時間は短くなってきているとはいえ、海外G1を制したロードカナロアやダノンスマッシュ、カレンチャンなど名スプリンターを輩出してきた名門から現れた大物候補に引き続き注目してみたい。

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