武豊×名物オーナー所有馬「単勝1.2倍」の完勝劇! 「武豊騎手と口取りできて嬉しいです」勝率100%依然キープで名コンビ誕生の予感?
9日、阪神6Rに行われた3歳以上1勝クラス(ダート1800m)は、1番人気エルゲルージ(牡4歳、栗東・石坂公一厩舎)と武豊騎手のコンビが優勝。単勝1.2倍の圧倒的支持に応えて通算2勝目を手にした。
ドゥラメンテ産駒の同馬は、初ダートだった昨年8月の未勝利戦を6馬身差で大楽勝。手綱を取った福永祐一元騎手(現調教師)が「ダート適性が想像以上に高く、強かったです」と、高評価を与えていた1頭だ。
しかし、その後は順調さを欠き約9ヶ月半の長期休養。今春の2戦は久々も響き3着、2着に敗れた。ただ今回は栗東坂路で行われた最終追い切りで自己ベストに迫るタイムをマークするなど、ここにきて体調がグンと上向いていたようだ。
レースでは大外13番枠からスタートすると、道中は好位3番手をがっちりとキープ。抑えきれない手応えで4コーナー手前で早くも先頭に躍り出ると、最後の直線でも後続を寄せ付けず1馬身半差の完勝だった。
「早い話、このクラスにいるレベルの馬ではありませんでしたね。武豊騎手もスタートから盤石のレース運びでした。エルゲルージはこれが8戦目でまだまだ伸びしろがありそうですし、上のクラスでも十分戦えると思います」(競馬誌ライター)
ほぼ完璧といっていい騎乗で同馬を勝利に導いた武豊騎手はレース後、「気が良すぎる面があって、道中は力んでいた。それでもここでは力が上でした。将来的には短い距離でもやれそうです」と、エルゲルージの今後の見通しについてコメントした。
なお武豊騎手と、エルゲルージを所有する犬塚悠治郎オーナーもコンビ通算成績が2戦2勝となるなど相性抜群だ。
勝率100%依然キープで名コンビ誕生の予感?
犬塚オーナーといえば2017年にJRA馬主としてデビュー。藤田菜七子騎手を所有馬の主戦騎手として起用しており、過去には同騎手に乗ってもらう馬を約3000万円で購入した経験も持つ。一部ファンの間では熱狂的な“藤田菜七子信者”としても知られている名物オーナーである。
そんな犬塚氏と武豊騎手が今年7月、札幌の大倉山特別(2勝クラス)に出走したシルバーブレッドで初めてタッグを組んだ。
レースでは9番人気の伏兵評価だったが、早め先頭から後続を振り切って1着。武豊騎手はレース後、シルバーブレッドについて「すごく乗りやすい馬」などと評価。それに対して犬塚氏も自身のSNSに「レジェンドに褒めてもらえて光栄です」と投稿するやりとりがあったことも一部で話題を呼んでいた。
今回はそのシルバーブレッド以来のタッグとなった両者。レースに臨むにあたり犬塚オーナーは自身のブログ『ぐりぐり君の個人馬主ブログ』に「今回は継続騎乗を視野に依頼しました。良い走りをして武さんに気に入ってもらえるといいですね」などと意気込みをつづっていたのだが、その期待通りともいえるだろう見事な走りで勝利を掴み取っている。
レース後、犬塚氏はSNSに「単勝1.2倍のグリグリ状態だったので心臓に悪かったです」「武豊騎手と口取りすることができて嬉しいです」のコメントとともに、今回の口取り写真を投稿。レジェンドの隣で満面の笑みを湛える同オーナーはまさに感無量といった様子だった。
依然として勝率100%をキープしている武豊騎手と犬塚オーナーのコンビ。新たな名コンビの誕生も予感させるだけに引き続き注目してみたい。