2歳女王も桜花賞馬も余裕で馬券圏外に…「56キロ増」絶対女王リバティアイランドに意外な落とし穴

リバティアイランド 撮影:Ruriko.I

 “世代最強”との呼び声が高い「アノ馬」が放牧先から戻ってくる。

 昨年暮れの阪神ジュベナイルF(G1)で2歳女王に輝き、今春には桜花賞(G1)とオークス(G1)の牝馬二冠を制したリバティアイランド(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)である。

 この世代の牡馬はソールオリエンスとタスティエーラが春の二冠を分け合ったが、もしリバティアイランドが日本ダービー(G1)に出走していれば「勝っていたのではないか」という声も根強い。

 実際に、オークスでリバティアイランドがマークした2分23秒1の勝ち時計は、同じ条件(東京芝2400m、良馬場)で行われたダービーの2分25秒2を2秒1も上回っていたのだから、あながち名牝ウオッカの再来を夢見た“妄想”というわけでもないだろう。

 夏場を休養に充てたリバティアイランドは、ぶっつけ本番で牝馬三冠最終戦の秋華賞(G1、10月15日)で実戦復帰を予定。これまでの競馬ぶりから、「同世代の牝馬に敵はいない」というのが競馬ファンの共通した見方だろう。

 そんなリバティアイランドの近況が伝わったのは8日金曜日だった。同馬を所有するサンデーレーシングは、二冠牝馬が12日火曜日に栗東に帰厩予定であることを発表したが、驚きを持って伝えられたのは、その馬体重だった。

「56キロ増」絶対女王に意外な落とし穴

 前走後は栗東近郊のノーザンファームしがらきで調整していたリバティアイランド。3か月半前のオークス当日に466キロと計測された馬体重は、現時点で56キロ増の522キロに達しているという。

「56キロ増」という数字に競馬ファンはすぐさま反応。ネット上では、「桜花賞前も大幅に増えていたし心配なし」「写真(馬体)を見たけど、まったく太くない。56キロは完全に成長分」とポジティブにとらえる意見があった一方で「56キロって騎手1人分じゃないか」「レースまで1か月あるけど、さすがに増えすぎ」と不安視する声もあった。

「もともと2歳夏のデビュー時から460キロ台を維持している馬ですが、リバティアイランドにとってはこの夏が成長期だったのでしょう。さすがにこのままの馬体重でレースを迎えることになればビックリですが、これからトレセンで追い切りを重ねるため絞られるのは間違いありません。増加した56キロのうち少なくとも20~30キロ程度は成長分だと思うので、秋華賞にはおそらく500キロ前後で出走するのではないでしょうか」(競馬記者)

 記者の口から出た「500」という数字。実は3歳牝馬にとって、500キロ台(以上)か、それとも500キロ未満かが、データ的に大きな分かれ目になるという。

「1990年以降、馬体重500キロ以上で牝馬三冠レースに出走した馬は51頭いましたが、勝ったのは1995年エリザベス女王杯(当時は3歳限定戦)のサクラキャンドル(510キロ)だけ。その勝率はたった1.96%です。

ひと夏を越して行われる秋華賞(1996年創設)に限っても、500キロ以上の馬は【0-2-1-18】で、馬券に絡む馬はいても勝ち切ることができていません。2018年ラッキーライラック、2017年ファンディーナ、2016年ジュエラー、2000年のチアズグレイスの4頭はいずれも秋華賞で2番人気に推されましたが、馬券圏外に消えています」(別の記者)

 500キロ台の大型牝馬が21戦0勝と苦戦する一方で、480~490キロ台の秋華賞馬は27年間で11頭も誕生。その内訳は480キロ台が8頭、490キロ台が3頭である。

 従って、あくまでデータ的には、リバティアイランドは490キロ台までシェイプアップして本番を迎えるのが理想ということになりそうだ。

 “世代最強”の二冠牝馬は一体どんなシルエットで栗東に姿を見せるのか、そして当日に発表される馬体重は……。秋華賞は5週間後に迫っている。

GJ 編集部

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