【オールカマー(G2)予想】タイトルホルダー、ジェラルディーナは消し、人気薄の激走で荒れる決着と見た
今回は秋のG1を狙う多くの馬の始動戦として、勝ち馬にも数多の名馬の名前が並ぶ重賞、オールカマー(G2)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
宝塚記念 6頭
海外遠征 3頭
天皇賞・春、ヴィクトリアマイル、目黒記念、七夕賞、小倉記念、札幌日経オープン(OP)
各2頭
安田記念、京都記念、アメリカジョッキークラブC、札幌記念、マーメイドS、新潟大賞典、中日新聞杯 各1頭
福島テレビオープン(OP) 1頭
条件特別(3勝クラス) 1頭
となっている。
春に古馬王道G1を歩んだ馬の好走が目立つ。また、芝2200mという距離ながら安田記念(G1)やヴィクトリアマイル(G1)のようなマイルG1から転戦して好走したケースもある。格式のあるレースなので前走重賞はほぼ必須、オープン戦や条件戦からの挑戦は厳しい。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-2-1-5
2番人気 2-2-1-5
3番人気 1-3-3-3
4~6番人気 4-2-2-22
7~9番人気 1-1-2-26
10番人気以下 0-0-1-47
となっている。
3番人気は信用できる数字で、近5年でも昨年を除く4年連続で来ている。逆に1番人気は近5年では2018年にレイデオロが勝って以降、馬券に絡んでいない。ちょい荒れ傾向ではあるが、基本的には堅いレース。極端な穴狙いはしない方が良さそうだ。
これを踏まえて「◎」は10番エヒトとする。
前走は小倉記念(G3)。スタートで出負けするも4番手までリカバーして追走。直線で粘る逃げ馬を外から上がり2位の脚で交わして快勝した。
一昨年の末に3勝クラスを脱出してオープン入り。良くも悪くも相手なりに走っているというところ。それでもG3を2勝している。
中山2200mの舞台は昨年と今年、AJCC(G2)を走っており、昨年は9着と見せ場もなかったが今年は2着と成長を見せた。中山2200mの持ち時計は平凡。それでも他場まで含めれば2分11秒台の時計を持っている。
斤量も前走から1kg減の57kgで走れるのは有利だろう。切れ味抜群とまではいかないが、それなりに切れる脚もある。実績の割に人気がないなら狙い目と見る。
「○」は15番ウインマリリンを挙げる。
前走は札幌記念(G2)。内枠から好スタートを切って、早めに3番手のポジションを確保して追走。直線伸びることなく9着に敗れた。
昨年末は香港ヴァーズ(G1)で人気に応えて念願のG1タイトルを手にしたものの、続くドバイシーマクラシック(G1)と前走は凡走。ドバイから前走までは休養を取っており、それなりに仕上がっていたにもかかわらずの敗戦となった。
しかし、一昨年のこのレースの覇者であり、中山では4勝を挙げるなど中山巧者。陣営からは、調教は動いているものの、いい頃に比べるともう一歩といったところ。この舞台は得意なので次へつながるレースをしてほしいとのコメントが出ている。
こちらもG2・3勝、G1・2着2回という実績の割に人気がない。57kgと牡馬と変わらない斤量を背負う不安点もあるが、それよりも一発の期待が上回る。
「▲」は8番ゼッフィーロを推す。
前走は目黒記念(G2)。最内枠からのスタートだったが、出脚が鈍く後方からの競馬。直線に向いて逃げ馬が残る展開の中、上がり最速33.5秒の脚で外から猛然と追い込んで4着に終わった。
陣営からは、前走のゲートの出が悪かったために練習を行ったとのこと。ここまで順調に調整も進み、走り方もだいぶいい方に変わってきているというコメントが出ている。海外遠征のプランもあったようだが、それがなくなった分、秋に飛躍するためには賞金加算が必須。そういう意味でも、相手は強いがここで勝ち負けしないと先が見えてこない。
今回はG1馬も出走してくるが、持ち前の切れる脚と堅実さを武器にすれば、一発は十分期待できよう。
「△」は12番ハヤヤッコと13番ローシャムパークとする。
ハヤヤッコの前走は函館記念(G3)で、内枠から後方待機策。直線だけで追い込み、3着からアタマ+ハナ差の5着に敗れた。
ここ4戦でハンデ戦が3回、いずれも58.5kgとだいぶ見込まれた斤量を背負わされていたが、今回は57kgと1.5kg減。近3走の「後方から届かず」ではなく、もっと前につけて押し切る競馬ができればあるいは、という場面も考えられる。
ハヤヤッコが5着に終わった函館記念を制したのがローシャムパーク。
こちらは3勝クラスから連勝で重賞を制覇し、ここまで9戦のキャリアで馬券圏外に飛んだのは一度きり。それも5着と掲示板に載っているので、「▲」ゼッフィーロと似た堅実派である。
昨年のセントライト記念(G2)で3着したときの時計が稍重馬場だったにもかかわらず、なかなか優秀である。陣営も「体質が強くなって負荷の高い調教ができるようになった」ということで、前走は重賞でも通用することが証明できた。
勝った函館記念の相手が弱かったわけではないが、今回はG1馬3頭が相手。しかし、試金石の1戦としてせめて馬券圏内に入るくらいでなければ、秋の飛躍は期待しにくい。
2番タイトルホルダー、6番ジェラルディーナ、7番ガイアフォースをまとめて切り。
まずタイトルホルダーだが、おそらく陣営としてもG1・3勝馬が無様な競馬をするわけにはいかないと仕上げてくるだろうが、前走はレース中のアクシデントで競走中止。調教中に脚元の不安が出るのはよくある話だが、レース中となると症状が大事に至らなくても、馬のメンタルに影響を及ぼしている可能性はゼロではない。逃げてあっさり、は十分考えられるが、本当にまともなレースができるのかは正直疑問が残る。
ジェラルディーナは中山が得意なコースではあるが、いかんせん鉄砲実績がない。この馬は買うなら次の本番だろう。
ガイアフォースはマイラーズC(G2)2着の勢いで安田記念(G1)でも4着と大健闘したが、マイラーかと言われるとそうとも言い切れず。鉄砲駆けするタイプで、昨年のセントライト記念の再現が考えられる一方、今年のAJCCの凡走も同じように考えられる。個人的には後者の可能性が高いと見て消しとする。
ということで、今回は8番、10番、12番、13番、15番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。人気しそうなのはローシャムパークだけ。それ以外の組み合わせなら万馬券も見えてくる。