【菊花賞】過去に福永洋一、武邦彦、横山典弘が父子制覇…「神戸新聞杯○○着馬の法則」で勝負【東大式必勝馬券予想】
3歳乙女の秋の祭典・秋華賞(G1)はリバティアイランドの圧勝に終わったが、今週末は、同じ淀を舞台に男の子の三冠目・菊花賞(G1)。「最も強い馬が勝つ」と昔から言われるが、私は「名騎手が名馬を操り勝つ」レースと言い換えたい。しかも親子で……。
まずは福永洋一騎手がニホンピロムーテーを駆った1971年。1200m戦でデビュー、日本ダービー(G1)は失速の8着、持ってマイルまでと思われた同馬を2周目で先頭に立たせ、タブーと言われた3コーナーの坂の手前からスパート。「これは引っかかったのか、それとも福永洋一騎手の作戦か、場内がどっときています」。当時34歳の杉本清アナウンサーの名実況とともに3000mを坂上先頭から勝利。福永が「天才」と呼ばれるきっかけとなった。その42年後、皐月賞(G1)とダービーでとも2着と勝ち味に遅いエピファネイアを直線で鞭を入れることなく5馬身差の圧勝に導いたのが息子の祐一騎手。2020年にはコントレイルで三冠に輝いている。
お次は“ターフの魔術師”こと武邦彦騎手がタケホープに跨った1973年。ダービーではスーパーアイドルのハイセイコーを下したが鞍上は嶋田功騎手。秋初戦の京都新聞杯(OP・当時)を8着とボロ負けし、嶋田騎手は調教中に落馬して右足骨折。関西所属で空いていた名手・武邦彦にお鉢が回ってきた。
1番人気は秋初戦の京都新聞杯を2着の増沢末夫騎手のハイセイコー、武邦彦とタケホープのコンビは6番人気でしかなかった。レースでは2周目の下り坂で「堪らんという感じで先頭に立ちました」(杉本清)、直線でも逃げ脚衰えず勝ったかと思えたハイセイコーをゴールでキッチリとハナ差の差し切り!この神騎乗に、“福永が天才なら武は名人”と讃えられた。
その15年後、三男・武豊騎手が重賞未勝利、賞金順19番目の馬で出馬投票を待つ。運よく回避馬が出て淀の晴れ舞台に現れたのはスーパークリーク。1番人気の皐月賞馬ヤエノムテキを3コーナーで並ぶ間もなく交わし、直線では1完歩ごとに後続を突き放す5馬身差の圧勝。19歳7か月23日、史上最年少のクラシックジョッキーとなった武豊騎手はこの17年後にディープインパクトで無敗の三冠達成、人馬ともに伝説となる。
最後は1998年、皐月賞でクラシック初制覇した横山典弘騎手セイウンスカイのコンビが菊花賞に登場。行方不明となるほど悲運の種牡馬シェリフズスターの仔、スピード血統で3000mは長いと見られたのか、単勝は4.3倍の2番人気。1番人気はダービーを圧勝したスペシャルウィーク。横山のセイウンスカイは後の名種牡馬を相手に前半1000mを59秒6という暴走気味のペースで逃げまくり、中間の1000mは64秒3と騙し騙しのペースダウン。2周目の坂の下りからスパートして最後の1000mは59秒3の見事なペース配分。追いすがるライバルを3馬身半も突き放す完勝で勝ちタイム3分3秒2は当時の世界レコード。この“幻惑の逃亡劇”から23年後、三男の横山武史騎手がタイトルホルダーで父以来の逃げ切り勝ちを収めたのは皆さまの記憶に新しいところだろう。
ここらで「東大馬券王の大よそー」に移ろう。ダービー、前哨戦のセントライト記念(G2)、神戸新聞杯(G2)の好走組が幅を利かせるレースだ。ソールオリエンス、タスティエーラ、サトノグランツが有利と言ってしまえば面白くもなんともないが、密かに実践して頂きたい東大式鉄則がある。
それは「神戸新聞杯3着が来る!」。前述したスーパークリークも3着だった。(当時は優先出走権なし)。以来、2番人気エアシャカール、8番人気ソングオブウインド、1番人気オウケンブルースリ、7番人気ビッグウィーク、3番人気トーホウジャッカル、3番人気ワールドプレミアが優勝した。
もちろん1着のコントレイルやオルフェーヴルらが本番も勝っているが三冠を取るほどの実績馬だった。昨年のボルドグフーシュも本番はハナ差2着。だから今年もファントムシーフが匂う匂う。鞍上は菊5勝のレジェンド武豊。でも、あまり大きな声で宣伝しないでね。