川田将雅「あわやクビ」から涙の三冠達成!関係者に直談判で危機脱出…お嬢さんに捨てられかけた「仰天」エピソード
先週末に京都競馬場で行われた秋華賞(G1)は、単勝1.1倍の圧倒的1番人気に支持されたリバティアイランド(牝3、栗東・中内田充正厩舎)が無事戴冠。新しくなった京都で初の三冠馬誕生を一目見ようと、当日は多くのファンが駆け付けた。
3着ハーパーと4着ドゥーラの着順はオークス(G1)からひとつ下がったのみ。2着に善戦した新星マスクトディーヴァの存在感は光ったものの、まずは史上7頭目の牝馬三冠を達成したリバティアイランドの栄誉を称えたい。
また、川田将雅騎手が感極まった場面も非常に感動的なシーンだった。負けた騎手たちも、悔しさより祝福するムードの方が強かった印象だ。
見事に三冠を成し遂げた川田騎手とリバティアイランドのコンビだが、ここまですべてが順風満帆というわけではなかったという。
同世代で力が抜けた一頭であるにもかかわらず、前回のデアリングタクトのような無敗での三冠とならなかったことは周知の事実。それは、昨年10月東京のアルテミスS(G3)でラヴェルの2着に敗れていたことに他ならない。
デビュー戦の圧勝を評価され、単勝1.4倍の大本命として臨んだこのレースだが、最後の直線で外の馬に蓋をされる格好で追い出しが遅れる致命的なミスを犯した。進路の確保に手間取っている間に後方から鋭く伸びたラヴェルが先に抜け出してゴール。これには川田騎手も「進路の無い競馬になってしまい、直線も待たないといけなくなりました」と振り返らざるを得なかった。
そしてこの一件を巡って、ノーザンファームしがらきなどの現場レベルでは、川田騎手の責任を問う声が出たらしく、他の騎手への乗り替わりも示唆されたらしい。
しかし、そこで川田騎手は一計を案じて“最悪の事態”を乗り切ったという。
関係者に直談判で危機脱出…
「どうしても乗りたい川田騎手は、旗色の悪い現場レベルを飛び越え、サンデーレーシング代表の吉田俊介氏、ノーザンファーム代表の吉田勝己氏に直談判を敢行。『本当にすいませんでした。阪神ジュベナイルF(G1)では何としても結果を出しますので、どうか継続して乗せて下さい』と直訴したそうです。もしこういった根回しを思いつかなければ、コンビ続行は実現しなかった可能性すらあったでしょう」(競馬記者)
一歩間違えれば、お嬢さんに捨てられたかもしれなかっただけに、川田騎手の彼女に対する思い入れの強さが伝わるエピソードといえるのではないか。
「川田騎手には腕一本でのし上がってきた印象もあるかもしれませんが、こういった裏での駆け引きも功を奏して今のポジションにいる訳です。セレクトセールなどでもダノックスの野田順弘代表の側にピッタリとくっついていたり、合間を見つけてはサトノの里見治会長の所に足を運んだりと営業にも長けているタイプです。インタビューなどで見せる素っ気ない顔とは違う部分も持ち合わせています」(別の記者)
ただ、この一件が面白くなかったのは、ノーザンファームしがらきの松本場長だ。記者の話によると、管轄馬をなるべく全部乗って欲しい松本場長と、騎乗馬を厳選する川田騎手とでは考え方も違うため、かねてより相容れない部分はあったらしい。見方によっては以前からの確執が表面化しただけということかもしれない。
その影響か川田騎手がしがらきで調整するノーザンファーム系クラブの馬などへの騎乗機会は極端に少なくなり、現在では坂井瑠星騎手や西村淳也騎手、鮫島克駿騎手など、乗れる若手騎手を起用することが増えている。それでも彼らとて短期免許の外国人騎手が来日の際には、有力馬に騎乗する機会を失うことは想像に難くない。
かといって、流石に三冠まで取ってしまうと、今後リバティアイランドが乗り替わることは、一度くらいのミスや敗戦では発生しないだろう。
既に全国リーディングを獲得した川田騎手の活躍は目覚ましく、海外でも地方でも圧倒的な結果を出している。ここまで地盤を固めれば、しばらくの間は「川田将雅時代」が続くのではないか。
とはいえ、あの天才武豊でもふとしたことをきっかけに、騎乗馬の質が急落してリーディングを明け渡した例もある。結果を残すことで現在の地位を築いた川田騎手だが、それが過信や慢心に繋がるようなら、いつ転落してもおかしくない。そんなことは言われなくても本人が一番わかっていることだろうが……。