ダービー馬シャフリヤールの「国内完全スルー」を残念がる声…今年JRA・G1出走なし、海外レースを最後に引退もあるか
来月4日のブリーダーズCターフ(米G1)に出走予定のシャフリヤール(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)が、12月の香港ヴァーズ(G1)の招待を受諾したことが、所有するサンデーレーシングから発表された。
同馬はすでに出国済みであり、現在は米国で調整が行われている。ブリーダーズCが終わった後、馬体など特に問題が見られないようであれば、そのまま香港へと転戦する見込みである。
「香港国際競走は12月10日に行われるため、スケジュール的にはややタイトであるような気もしますが、一昨年にはラヴズオンリーユーが同じパターンでブリーダーズCと香港の両レースを制した例があります。同馬に続くような活躍をシャフリヤールにも期待したいですね」(競馬誌ライター)
「国内完全スルー」を残念がる声…
SNSやネットの掲示板でも「頑張ってほしい」「ダービー馬の底力を見せてくれ」といった応援のコメントや、両レースに出走すれば海外4カ国でG1出走にもなることから「まさに空飛ぶダービー馬だな」といった声も寄せられていた。
ただ中には「国内のG1で走る姿もみたかった」「天皇賞・秋(G1)やジャパンC(G1)に出ないのは残念」という声もあった。
同馬は今年ここまでわずか2戦のみ。初戦は海外のドバイシーマクラシック(G1)で5着に敗退。前走の札幌記念(G2)でも11着に大敗した。その後、喉の疾患である喉頭蓋エントラップメントが判明したが、無事に手術が成功。今秋はブリーダーズCターフへの挑戦が発表されていた。
ちなみに同レースの1週間前に行われる天皇賞・秋では、昨年のダービーでワンツーのドウデュースVSイクイノックスが実現。来月26日に開催されるジャパンCでは、この2頭の他に牝馬三冠を達成したリバティアイランドも加わる予定だ。
シャフリヤールは昨年のジャパンCで僅差の2着であり、何より同じ東京・2400mの日本ダービー(G1)を制している。本馬もジャパンCに参戦していれば、より盛り上がりが増していたことは間違いない。
ちなみに香港ヴァーズに出走となると、間隔が詰まることから、暮れに行われるグランプリ・有馬記念(G1)への参戦も望み薄だろう。
そうなると、シャフリヤールは結果的に2023年のJRA・G1を「完全スルー」するということとなる。
「早いものでシャフリヤールも来年で6歳。一口クラブ所有のダービー馬で6歳以降も現役を続けた馬は、グレード制導入以来1頭もいないだけに、同馬も今年一杯で引退しても不思議ではないでしょう。そうなると8月の札幌記念が、国内ラストランだったことになりますね」(同)
果たして、ダービー馬シャフリヤールが国内で走る姿を見られる機会はまだ残っているのだろうか。ひとまずは今秋の海外G1・2戦を全力で応援したい。