「ハマの番長」所有馬が11番人気で大波乱演出! 好調の古川奈穂が福島で存在感、リアルスティール産駒リーゼントミニーが躍動
12日の福島12Rにて11番人気の大穴リーゼントミニー(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が華麗な逃げ切り勝ちを決めた。
逃げ馬には不利と言われる大外8枠16番で出走。スタート直後は無理をせず、向正面でジワジワとハナを奪取。そのままH.ドイル騎手が操る2番人気ストリンジェンドの猛追を振り切った。2着から5着までが上位人気馬で占められていたことからも、今回の勝利が大金星であったことは間違いないだろう。
リーゼントミニーは「ハマの番長」こと現・横浜DeNAベイスターズ監督の三浦大輔オーナーの所有馬だ。三浦氏は2011年に現役プロ野球選手として初めて中央競馬の馬主となって以来、引退馬を含む11頭を所有してきた。
ひときわ目を引く冠名「リーゼント」は三浦氏自身がリーゼントヘアーで知られることに由来する。引退した代表馬としては初年度に購入したリーゼントロックが50戦6勝、中央獲得賞金1億6575万3000円という成績をあげている。
そんな三浦氏所有の引退馬、現役馬の多くが矢作厩舎所属。矢作師と言えば国内外の重賞で結果を残してきた「世界のYAHAGI」として知られる名伯楽だ。
両氏の交流は三浦氏が現役選手時代にできた縁にまでさかのぼる。当時スポーツ紙の担当記者が矢作師と同校の後輩だったことから交流が生まれ、管理を依頼するようになったとのこと。新馬を購入する際にも矢作師に相談していることからも、三浦氏の矢作師に対する厚い信頼がうかがえる。
好調の古川奈穂騎手が福島で存在感
鞍上を務めた古川奈穂騎手も矢作厩舎の所属騎手だ。デビュー3年目の23歳は今回で本年23勝目をあげた。同厩舎所属の兄弟子は今やG1常連騎手の一人でもある坂井瑠星騎手。重賞初勝利はデビュー4年目、JRA・G1勝利は7年目という破竹のスピードで成長した坂井騎手を目標に古川奈騎手も日々邁進している。
キャリア7戦目まで未勝利だったリーゼントミニーだが、前走のリゲル特別(門別)で逃げを試み初勝利。今回も果敢な逃げを選択した結果の2連勝となり、デビューからの低迷を抜け出す活路を見出したようだ。
リーゼントミニーの父は昨年に初年度産駒がデビューしたリアルスティール。新種牡馬として、いきなりレーベンスティールやオールパルフェら重賞馬を輩出したことで話題になった。
またリアルスティールは古馬になってからドバイターフ(G1)を勝ちG1馬となったことから、リーゼントミニー自身も古馬になってから飛躍する可能性は十分にある。
3年目の若手女性騎手と3歳牝馬のコンビがこのまま勝ち星を積み上げ、どこまで成長できるのかを見守りたい。