「最終世代」も好調なハーツクライ…ディープインパクトとの「後継種牡馬の争い」もますますヒートアップ
種牡馬として14世代の産駒を残し、今年3月にこの世を去ったハーツクライ。現役時代は、有馬記念(G1)で当時無敗のディープインパクトに土を付けると、続けてドバイシーマクラシック(G1)を制覇。その実力を受け継いだ産駒たちは、現在も一線級で活躍している。
今年2歳を迎えたラストクロップは35頭と少数だが、現時点で6頭が勝ち上がっている。今週末の東京スポーツ杯2歳S(G2)にはファーヴェント、12月の阪神ジュベナイルF(G1)にはルシフェルが既に出走表明。また、サリオスの全妹サフィラもアルテミスS(G3)で2着と、来年に向けて期待が高まる。
そんな父ハーツクライの名前を残すべく、後継種牡馬たちも奮闘している。ジャスタウェイからはG1馬ダノンザキッドや、エリザベス女王杯(G1)で2着のルージュエヴァイユらが誕生。今年の新種牡馬スワーヴリチャードは、2歳リーディングのトップを争う絶好のスタートを決めた。
ディープインパクトとの「後継種牡馬の争い」もヒートアップ
種牡馬のライバルとしては、ハーツクライの同期であるキングカメハメハの産駒、ロードカナロアやドゥラメンテなどが手強い。だが、やはり宿敵ディープインパクトとの「産駒対決」にも注目したいところだ。
種牡馬においても何かと縁がある2頭。ハーツクライ産駒のG1初勝利は、ジャスタウェイがディープインパクト産駒のジェンティルドンナを破った天皇賞・秋(G1)だった。昨年の日本ダービー(G1)では、それまで続いていたディープインパクト産駒の連覇を、ハーツクライ産駒のドウデュースが止めてみせた。
ハーツクライの後継としては、先述の通りジャスタウェイが重賞馬を輩出しているが、もう1つ大きなタイトルが欲しいところ。今年からは絶好調のスワーヴリチャードに加え、G1馬の姉妹を持つシュヴァルグランの仔も続々とデビューしている。
また今年からは、サリオスが社台スタリオンステーションで種牡馬生活を始めた。同牧場によると、今年度の種付料は150万円、種付頭数は176頭。価格が比較的安いこともあるが、その戦績と血統への評価は高いことがうかがえる。産駒たちが産まれてくるのは来年、こちらにも期待したい。
それに対し、ディープインパクト後継の大本命と言えるのは、やはり三冠馬コントレイルだろう。社台スタリオンステーションによると、今年度の種付料は1200万円と高額ながら、種付頭数は211頭を集めた。現役の後継筆頭はキズナだが、こちらは152頭と数を若干落としている。
コントレイルとサリオスといえば、2020年の皐月賞(G1)と日本ダービーで激戦を繰り広げたライバル。現役時代はコントレイルが制したが、種牡馬としての成績はどう出るか。偉大な父の名前を背負った者同士、いずれはクラシック戦線で再戦の時が訪れるかもしれない。