初G1勝ちナミュールに高野友和師が名前を出した名牝再来の予感!? グランアレグリア、ラッキーライラックらに続けるか…さらなる飛躍のポイントとは
先週の日曜に行われたマイルCS(G1)。最後の直線で伸びを欠いたセリフォスやシュネルマイスターらを最速の上がりをマークした豪脚で撫で斬ったのは、紅一点のナミュール(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)だった。
昨年3月のチューリップ賞(G2)1着の後、勝ち切れないレースが続いた同馬だが、前哨戦の富士S(G2)に続いて連勝を飾り、ここにきて一気の本格化。レース後には管理する高野調教師から「リスグラシューのようになってほしい」と、国内外でG1・4勝を挙げた名牝の名前まで飛び出した。
ちなみにナミュールとリスグラシューは、オーナーが同じ一口馬主クラブのキャロットファーム。ともに4歳秋で初のビッグタイトルを手中に収め、8度目のG1挑戦で悲願を達成したところも共通している。
3歳時には牝馬三冠レースに皆勤するも、もう一歩届かなかった点など、類似する点は他にもある。そんな背景があるからだろう、SNSやネットの掲示板にはファンからも「ナミュールってリスグラシューと似ている部分が多いな」「さらに力をつけて第二のリスグラシューになってほしい」といったコメントが投稿されていた。
「今年のマイルCSを制したナミュールは紅一点だったことでも話題となりましたが、実はG1で出走メンバー中唯一の牝馬が勝ったのも、2019年に開催された宝塚記念(G1)のリスグラシュー以来だったんですよね。
最近では牝馬が牡馬相手にG1を勝つことも珍しくなくなりましたが、“紅一点”となるとウオッカやアーモンドアイ、エアグルーヴといったそうそうたる顔ぶれしかいません。それだけにナミュールも今後の活躍に期待できそうですね」(競馬誌ライター)
さらなる飛躍のポイントとは
日本屈指の名牝たちと同等の快挙を成し遂げたナミュールだが、ここからさらなる飛躍を遂げようとするのであれば、1つキーとなってくるのは馬体重だろうか。
近年の名牝グランアレグリアやクロノジェネシス、リスグラシューなどは、キャリアを重ねるにつれて馬体重を大幅に増やしていった。一昨年のマイルCSで有終の美を飾ったグランアレグリアなどは、デビュー時より約50キロもボリュームアップ。クロノジェネシスやリスグラシューもラストランではデビュー時よりも30キロ以上増えていた。
マイルCSのナミュールも過去最高の454キロではあったものの、新馬戦に比べるとプラス16キロ。それだけにもうひと回り大きくなれるかどうかが、過去の名牝たちと肩を並べるポイントとなってきそうだ。
これに関しては、高野厩舎のスタッフがマイルCSの後、ナミュールについて「見違えるように体質が良くなった」「どこまで強くなるのか楽しみ」と目下の充実ぶりを語っているだけに、さらなる成長も十分に期待できそうである。
またナミュールはこれまで勝ち鞍は1600mのみだが、3歳時には本格化前にもかかわらずオークス(G1)3着、秋華賞(G1)2着と2000m以上でも好走済み。指揮官も「マイルから2400mまで距離のレンジも広い」と話しているだけに、来年は中距離G1の制覇も夢ではないかもしれない。