「落馬負傷」で複数の外国人騎手が緊急帰国…想定外の受難続くも「大物候補」が来日に名乗り
19日のマイルCS(G1)でナミュールに騎乗予定だったR.ムーア騎手。しかし同日の2Rで落馬してしまい、この日はマイルCSを含む全レースのキャンセルを余儀なくされた。結果的にナミュールは勝利したものの、出来ることなら自らの手綱で導きたかったところだろう。ムーア騎手の負傷は大事に至らなかったようで、次週からは「痛みもないので乗るつもりです」と前向きに話してもいた。
しかし、23日に予定していた浦和記念(G2)もキャンセルし、26日のジャパンC(G1)も復帰の見通しが立たず。最終的に12月5日までの短期免許を取り消し、治療のため帰国することが決まった。
また、ムーア騎手の動向による「鞍上問題」も目まぐるしかった。ジャパンCの想定は、当初ムーア騎手×コンティニュアス、T.マーカンド騎手×ヴェラアズールだった。
ところが、コンティニュアスの回避が決まると、昨年の同レースを制したムーア騎手×ヴェラアズールのコンビに変更。さらにムーア騎手の帰国が決まったこともあり、鞍上は2度目の変更。H.ドイル騎手に乗り替わりが決まった。
マーカンド騎手はヴェラアズールの騎乗が流れた後、契約馬主のシルクレーシングが所有するスタッドリーへの騎乗が決まっていた。このような事情があるとはいえ、マーカンド騎手にとっては些か理不尽な変更だったかもしれない。
今年の短期免許ジョッキーを振り返ると、落馬負傷による帰国が続いてしまった。7月には、香港のC.ホー騎手がわずか2週で帰国。南関東競馬では、7~10月まで騎乗予定だったR.クアトロ騎手も、9月に無念の帰国が決まった。
「来日&G1騎乗決定」楽しみな一報も
一方で、12月に来日する外国人騎手2名について、楽しみなニュースも入ってきた。10日の阪神ジュベナイルF(G1)にて、B.ムルザバエフ騎手とL.モリス騎手の騎乗が早くも決まっている。
ムルザバエフ騎手は、初来日の昨年12月~今年3月で、いきなり重賞3勝と存在感を見せた名手。単勝90.6倍のドゥラエレーデで制したホープフルS(G1)は、未だ印象に残っているファンも多いだろう。阪神JFで騎乗するルシフェルも素質馬なだけに、無視できない存在と言える。
モリス騎手は、昨年の凱旋門賞(仏G1)をアルピニスタで制した名手。今年の8月26日、27日のワールドオールスタージョッキーズ以来、2度目の来日となる。阪神JFでは、重賞馬アニメイトバイオの仔であるクイックバイオに騎乗すると見られている。
もちろん、今年すでに大活躍のJ.モレイラ騎手や、活躍が期待されるW.ビュイック騎手からも目が離せない。年明けには、2021年の凱旋門賞をトルカータータッソで制したR.ピーヒュレク騎手も来日予定とのこと。彼らのエスコートに注目するとともに、これ以上のアクシデントが発生しないことを切に願いたい。