ルーキー河原田菜々「1日3勝」の大活躍!「もったいなかった」前走の反省を生かしたレースぶりに垣間見えた非凡さ
新人の河原田菜々騎手が192万馬券を演出
ルーキーが穴党の競馬ファンを喜ばせる大仕事をやってのけた。
16日、中京競馬場で行われた5Rの新馬戦は11番人気の伏兵メッエフアパラ(牡2歳、美浦・辻哲英厩舎)が勝利。大外枠から果敢にハナを切ると、見事に逃げ切って見せた。
「すごくいい馬に乗せてもらいました」
レース後、そう相棒を称えたのは今春にデビューしたルーキーの河原田菜々騎手だ。「二の脚の反応が良く、ペースを握る形で運びました」と会心の勝利を振り返った通り、二の脚の速さでハナに立ってレースの主導権を握ると、そのまま最後まで押し切った。
12頭立ての11番人気という人気薄だったが、終わってみれば5馬身差の圧勝劇。単勝91.6倍の勝利で、三連単は192万馬券と大万馬券を演出した。
先週、病気のために騎乗を控えるなど心配された河原田騎手だが、この日の1Rでは“復帰祝い”と言わんばかりに1番人気馬のラストボーンで鮮やかな逃げ切り。この勝利で自身初の1日2勝となったが、ここで終わらないのがこのルーキーの非凡なところだ。
ルーキー河原田菜々騎手「1日3勝」の大活躍!
この日、河原田騎手が進化の跡を示したのが、10Rの中京2歳S(OP)だった。
4番人気のクリスアーサーに騎乗した河原田騎手は、最後の直線でインをついて逃げ馬を交わすとライバルたちの追撃を凌いで勝利。自身初の1日3勝は、初の特別戦勝利のオマケ付きとなった。
前走の反省をしっかり糧にしたレースだった。前走の福島2歳S(OP)では、最後の直線で一度は先頭に立ったものの「3、4コーナーでハミを噛んでしまった分、最後の2完歩で差されてしまいました」との言葉通り、ゴール前で失速……。結局、最後は勝ったエトヴプレにハナ差で交わされてしまった。
レース後「自分が少し待てれば、もっと際どいレースになっていたと思います。能力の高い馬なんですが、そこがもったいなかった」と悔しさを露わにしていただけに、この日は最後の直線を迎えるまで逃げ馬の後ろでしっかりと我慢。最後は1着から5着までがコンマ1秒差の接戦になったが“一溜め”できた分、最後まで脚色は衰えなかった。
これには師匠の渡辺薫彦調教師も「鞍上の好判断でしたね」とご満悦。弟子の河原田騎手も「(減量特典がない)特別戦に乗せてくださったオーナー、渡辺先生に感謝したいです」と関係者への感謝を忘れなかった。
昨年、今村聖奈騎手や角田大河騎手がブレイクするなど、多くの話題を呼んだ新人騎手。今年は昨年のような派手さはないが、先週の阪神ジュベナイルF(G1)でG1初騎乗を飾った田口貫太騎手を始め、ここにきて存在感が増してきた感がある。
この1日3勝で勝ち星を12に伸ばすなど、勢いに乗ってきた河原田騎手。年末まであとわずかだが、早くも来年以降が楽しみになる活躍ぶりだった。