【ホープフルS】レガレイラ「最強確定」はまだ早い? C.ルメールも完敗認めた「因縁の相手」が評価急上昇!
武豊騎手とドウデュースのコンビが見事な復活勝利を決めた有馬記念(G1)の余韻がまだ残る中、4日後の28日に行われた2歳世代の中距離王を決めるホープフルS(G1)を制したのは、C.ルメール騎手とレガレイラ(牝2、美浦・木村哲也厩舎)のコンビだった。
世界最強馬イクイノックスが引退したとはいえ、チームイクイノックスの勢いはまだまだ止まらない。
鞍上のルメール騎手は今年のJRAG1・7勝目、生産牧場のノーザンファームもまたJRAG1・17勝目の大活躍。皐月賞(G1)の舞台と同じ中山の芝2000mを快勝したことにより、来年のクラシックでもレガレイラは主役級の注目を集めるはずだ。
ゴンバデカーブースとサンライズアースが取り消して16頭立てのレース。13番枠からスタートしたレガレイラは14番手からの競馬。ハナを主張したヴェロキラプトルが1000m通過60秒で飛ばし、道中のラップが緩むことのないタイトな流れとなった。
3、4コーナーにかけて各馬の動きが慌ただしくなる中、馬群の中をスルスルと進出したのがレガレイラだ。最後の直線半ばで大外に持ち出されると、先に抜け出したシンエンペラーを差し切ってゴール。ホープフルSを牝馬が初めて制した瞬間でもあった。
「後ろから楽にポジションを上げられました。最後の瞬発力は凄かったです」「デビュー戦から能力を見せてくれていますし、3戦目でこれだけの脚を使ってくれて、来年も楽しみです」
会心の勝利をそう振り返ったルメール騎手だが、2018年の朝日杯フューチュリティS(G1)では、断然人気のグランアレグリアで3着に敗れた苦い思い出もある。同じく1番人気に支持された牝馬のレガレイラで優勝したことで、当時の借りを返した格好となる。
レガレイラが倒さなければならない因縁の相手とは
ただ、2歳G1を優勝した馬は、阪神ジュベナイルF(G1)を制したアスコリピチェーノや朝日杯FSを制したジャンタルマンタルなどもいる。名実ともに世代No.1として君臨するためには、いずれ戦わなければならない最強の刺客となるだろう。
「名前の出た2頭も勿論手強い相手ですが、レガレイラの勝利で相対的に評価を急上昇させた相手がまだいます。それは前走のアイビーS(L)で不覚を取った相手、ダノンエアズロックでしょう。
1000m通過が63秒1の超スローペースで前残り決着となったレースですが、上がり3ハロン最速32秒7の脚を駆使しながらも勝ち馬とは最速タイ。単勝1.5倍の支持を裏切るまさかの敗戦を喫しました」(競馬記者)
記者の言う通り、前に行った馬に展開が向いたことは確かだが、シンプルに「レースのあや」という一言だけでは済ませられない理由もあったのだ。
というのも、レース後にルメール騎手から「今日は勝ち馬が強過ぎたので仕方がない部分がありますが、能力の高い馬ですし、段々と良くなりそうです」という完敗を認めたコメントが出ていたからにほかならない。
事実、ルメール騎手の期待に応えて変わり身を見せたレガレイラとはいえ、ダノンエアズロックは2戦2勝で無敗が続いている相手。世代最強馬として君臨するためにも、再び直接対決が実現した際に倒しておきたい因縁のライバルとなるはずだ。